2012年11月22日木曜日

アリゾナ・フォールリーグと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ワールドシリーズが閉幕した後もまだまだ熱いベースボールが展開されているアリゾナ・フォールリーグについて。

日本では日本シリーズが終わると次の春まで野球はお休み。3月にセンバツ高校野球があるとはいえ、プロ野球はしばらくおあずけ状態になってしまいます。もちろんその間はストーブリーグで翌シーズンの予想を楽しむわけですが、できれば本物のプロ野球も見たいもの。

その点、国土の広いアメリカは秋でも暖かく野球ができる場所があります。ところは砂漠もあるアリゾナの地、ここで近い将来のメジャー昇格を夢見るマイナーリーガーたちによるアリゾナ・フォールリーグ、略称AFLが開催されているのです。

30のメジャー球団組織から派遣された選手は6チームに編成され、リーグ戦が行われます。各チームは「フェニックス・デザートドッグス」「スコッツデール・スコーピオンズ」のような名前を持っているものの、ユニフォームは全員「親チーム」のものを着用、帽子だけがチームのお揃いということで、なんだかオールスター戦を見ているかのよう。とはいえリーグ戦は優勝を賭けて真剣勝負で争われ、MVPなどの個人表彰や「殿堂」もあるのですから本格的です。

このAFLの意義は、オフでもファンにプロベースボールを楽しんでもらおうというのはもちろんですが、メインの目的は若手選手にアピールの場を与えることです。日本と違い、傘下に多数のマイナーチームを持つMLBですから、マイナーリーガーも何百人と抱えています。それだけに、全く知られていないダイヤモンドの原石も数多く隠れているのです。そういった選手を発掘するための見本市が、このAFLと言って良いでしょう。

当然各チームのスカウトはAFLに結集、自軍の選手の成長ぶりをチェックするとともに、他チームの選手の偵察にも余念がありません。なぜなら、シーズン中に自軍が大物選手をトレードで放出する場合、交換相手は有望なマイナーリーガー複数名ということがあるからです。ちなみに、ドミニカやベネズエラなどラテンアメリカ系の選手は自国に戻ってウインターリーグに参加していますので、AFLに来るのは大半がアメリカ人選手です。

メジャーのスター選手の中にもAFL経験者は少なくありません。ヤンキースのキャプテン、デレク・ジーター遊撃手、ナ・リーグ新人王を獲り野茂の女房役で人気があったマイク・ピアザ捕手、アスレチックスやヤンキースで活躍した強打のジェイソン・ジオンビ一塁手、3度ナ・リーグMVPに輝いたアルバート・プホルス一塁手、200勝間近のロイ・ハラデイ投手、そして今年ナ・リーグ新人王を獲得したブライス・ハーパー外野手など。日本人では、今年引退を表明した田口壮外野手も参加したことがあります。面白いところでは、バスケットボールのスーパースター、マイケル・ジョーダンが一時メジャーリーガーを目指したときもAFLに参加しましたが、もしかしたら一番AFLが注目されたのはこのときかも知れません(笑)。

今年のAFLで注目度が高かったのは、マイナー120試合で146盗塁したレッズ傘下のビリー・ハミルトンでしょうか(しかし無茶苦茶な走りっぷりです)。AFLでもスピードスターぶりを発揮していましたが、試合中に外野フライを追ってフェンスに腰をぶつけ途中退場するというアクシデントがありました。来季にはメジャー昇格が期待されるだけに、大事に至らないことを祈ります。

AFLを見ると、アメリカの国土の広さと野球の裾野の広さを実感させられます。与田剛さんもメジャー挑戦した経験があるそうですが、アメリカンドリームをつかもうとする若手たちのプレーにご自分を重ねて見ることもあるのでしょうか。


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