2013年6月30日日曜日

最下位チームの逆襲と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、スタートダッシュには失敗したものの6月になって調子を上げ、後半戦の上位進出が期待される2チームの話題。

まずは、アメリカンリーグ東地区のトロント・ブルージェイズ。オフの大型補強で一気に優勝を狙える陣容となったものの、エースと期待した昨年のナ・リーグのサイ・ヤング賞投手R.AディッキーらFA獲得選手の不振により、まさかの地区最下位で最初の2ヶ月を過ごしました。

これにもともとチームに在籍しているプレイヤーが発奮したのか、6月になってアダム・リンド、エドウィン・エンカーナシオンらが長打力を発揮、また投手もブレット・セシル、スティーブ・デラバー、ホアン・ペレスらの中継ぎ陣がほとんど0点に近い防御率の完璧なピッチングを披露。6月は11連勝を含む16勝8敗で一気に借金を返済してしまいました(もちろん川崎宗則もムードメーカーとしてチームを盛り上げました)。

とはいえアメリカンリーグ東地区は常勝ニューヨーク・ヤンキース、ボストン・レッドソックス、昨年から好調を維持するボルチモア・オリオールズといった強豪がひしめく超激戦地区。ブルージェイズがプレーオフ争いに食い込むには、上位チームが調子を落とす「運」も味方してくれなければ厳しいとは言えます。しかし、もしオフに補強した選手以外の活躍でプレーオフに進出できたら、ブルージェイズのGMは称賛されるべきなのでしょうか?

ナショナルリーグでは、西地区最下位のロサンゼルス・ドジャースが目覚めました。まだ借金7を背負っているものの、6月には6連勝をマーク。首位のアリゾナ・ダイヤモンドバックスでさえ貯金4というダンゴ状態の地区ですので、こちらはまだまだプレーオフの目はあります。ドジャースの躍進の原動力は、何と言ってもキューバから亡命した新人ヤシエル・プイグ。6月にマイナーから昇格したプイグは、4割以上の打率で7本塁打と打ちまくり、またライトを守っては「レーザービーム」の強肩で走者を刺し、観衆の目をくぎ付けにしました。最近では打順は2番が多いですが、デビューして数試合で4番を任されたこともあり、ケガから復帰したマット・ケンプとともに今後のドジャースの不沈のカギを握っていると言えるでしょう。

メジャーリーグは7月31日のトレード期限までに、脱落したチームが主力選手を放出する可能性が高まります。資金力に余裕のあるドジャースは、先発投手、または中軸打者を獲得するなどして、さらなる補強で勝負をかけてくるかも知れません。ますます目が話せないMLB、与田剛さんの解説で楽しみましょう。


2013年6月24日月曜日

メジャーの試合前のイベントと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先日行われた与田剛さんと金森栄治さんの「一打席真剣勝負」と、MLBの試合前に球場で行われる様々なイベントについて。

WBC以来、ひさびさに与田剛さんの記事を新聞で見つけました。6月13日、西武ドームで行われた西武ライオンズ対中日ドラゴンズの交流戦の試合前、与田さんと西武OBの金森さんの「一打席真剣勝負」が行われたのです。お互いに現役当時のユニフォームに身を包み、現役時代とさほど変わらない締まった体でマウンドと打席に立ったお二人(金森氏は少し痩せたかな?という印象でした)。現役時代、死球の多さがトレードマークだった金森さんは「役回りからして今日も死球かな」と周囲を笑わせましたが、与田さんの110km台の「速球」にファウルで粘り、7球目を見事にセンター前に打ち返しました。

与田さん、金森さんは、現在の少年ファンのお父さんの世代の選手。子供たちはこのイベントを見ても「この人たち誰?」という感じでしょう。そのとき球場では「お父さんがお前くらいの頃には、この人たちがスターだったんだ。金森さんはしぶといバッティングで、与田さんは当時日本で一番速い球を投げるピッチャーで・・・」といった会話が観客席のあちこちであったかも知れません。野球は世代をつなぐスポーツ、このようなイベントが親子の結びつきを強くするならば素晴らしいことですね。

最近は日本のプロ野球でも試合前によくイベントが行われるようになりましたが、やはり本家はメジャー。試合前に観衆の気持ちを盛り上げるため、あるいは選手の練習中に観客に退屈させないために、さまざまな趣向を凝らしたイベントが行われます。「ツアー」と称して一般客が普段は入れない球場の裏側を見せてもらえたり、選手のバッティング練習の守備につくことができたり、スピードガンコンテストのような素人飛び入り企画もあります。また、以前シアトル・マリナーズにジェイ・ビューナーというスキンヘッドの人気選手がいたのですが、その選手にちなんで「頭をスキンヘッドにして来場したら入場料タダ」といった仰天企画が実施されたこともありました。なんだか毎日がファン感謝デーみたいですね。

もちろん「余興」ばかりでなく地元のマーチングバンドの演奏や表彰式といった「式典」もあり、国歌斉唱のときには売店の販売員も作業の手を止め胸に手を当てて歌いだすそうですから、このあたりはさすがに「国技」ならではの重みがあります。さて、一打席勝負のあと、金森さんは「現役に戻りたい」と言ったそうですが、与田さんはどうだったでしょうか?





2013年6月22日土曜日

日本球界入りが噂されるラミレスと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、MLB通算555本塁打の強打者マニー・ラミレスが、日本のプロ球団と契約するのではないかと噂されている話題。

ラミレスといえば、1999年にクリーブランド・インディアンスで165打点をあげ初タイトルとなる打点王を獲得、2001年からボストン・レッドソックスに移籍して2004年に本塁打王、ワールドシリーズではMVPに選ばれました。1998年から2006年にかけては9年連続30本塁打プラス100打点以上を記録。メジャー通算では2302試合に出場し、歴代14位の555本塁打を放ち、同18位の1831打点をマーク、ポストシーズン通算29本塁打は歴代1位という、メジャー史に残るクラスの強打者です。

しかし、ときおりあからさまにやる気のない態度を見せたり、不可解な言動でトラブルを起こすこともしばしば。禁止薬物に2度も陽性反応を見せていることからも、メジャーではもうラミレスと契約するチームはないだろうと言われています。

2012年にマイナー契約したオークランド・アスレチックスを自ら申し出て退団後、とくにニュースで報じられることもなく、完全に引退したのかと思われていましたが、何と今年2月に台湾プロ球団の義大ライノズと契約。中軸打者として49試合で8本塁打、43打点をあげ、打率はリーグ1位の.352をマーク。WBCの健闘もあって野球人気が高まっている台湾で集客にも大きく貢献したと言われています(WBCは与田剛さんも日本のコーチとして参加しました)。そして6月19日にまたしても自らの申し出で義大を退団。「ニューヨークに残した家族が恋しくなった」とコメントしていましたが、なぜか帰りの飛行機はアメリカではなく日本行き。昨日成田空港に降り立ち、マスコミに囲まれる一幕がありました。

バットを持っていたことから、「日本のプロ球団のテストを受けるのでは?」という噂が流れていますが、果たしてこの「お騒がせ男」と契約する球団はあるのでしょうか。以前から千葉ロッテマリーンズの伊東監督がシーズン途中での「メジャー流」補強の必要性を強調していることから、スポーツ紙ではマリーンズが候補の筆頭にあがっています。それ以外では過去にラミレス側から売り込みがあったと言われるソフトバンクホークス。大物外人が好きな楽天は、すでにメジャー通算434本塁打のアンドリュー・ジョーンズがいるので財政的にも無理でしょうか。

入団すれば間違いなく史上最強の助っ人、日本の球場で大ホームランを放つ姿を見てみたい気もしますが…。与田剛さんはどのような感想をお持ちでしょうか。


2013年6月20日木曜日

ドラフト指名された車椅子の大学生と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先日行われたMLBのドラフト会議で起きた心温まる「事件」。

ドラフト会議といえば、数年後のスターが最初にスポットライトを浴びる華々しい場所。ファンやマスコミは「今年の全米No.1はだれか?」を固唾を飲んで見守ります(与田剛さんも中日ドラゴンズの1989年度のドラフト1位指名を受けました)。いっぽう、全体で1000人以上が指名されるMLBのドラフトですから、下位指名の選手が話題になることなどほとんどありません。

しかし、今年は違いました。アリゾナ・ダイヤモンドバックスが34位で指名したのはアリゾナ州立大学のコリー・ハーン外野手。ただし外野手とはいっても、ハーンは車椅子がなければ動けない身体障害者。もともと高校時代にはブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)らとともに全米代表に選ばれた強打者で、卒業時にサンディエゴ・パドレスからドラフト26位で指名されましたが、大学進学を選択。しかし入学直後に悪夢が彼を襲います。試合で二塁にヘッドスライディングして相手内野手の膝に激突し、脊椎骨破砕と脊髄損傷。下半身不随となり、野球どころか一生車椅子の生活を余儀なくされることになってしまいました。

普通の人なら絶望して自暴自棄になってしまうかもしれません。しかし彼は違いました。持ち前の負けん気を発揮して特別仕様の車の運転技術を学び、大学の普通クラスに復帰。野球部のコーチも務め、チームメイトの指導にあたっています。その前向きな生き様は多くの人々の知るところとなり、ダイヤモンドバックス社長デリク・ホール氏も感銘を受けた一人でした。そして、ホール氏は彼を球団スタッフとして迎えようとドラフトで指名したのです。指名は34巡目でしたが、これはハーンの野球部での背番号34にちなんだ順位。どこまでも粋ですね。ホール氏はハーンにスカウト、もしくは球団経営に関する仕事を提供したいとのことです。

セレモニーもなく引退した選手のための「一日だけ契約」もそうですが、このようなニュースを聞くと、アメリカでは野球は単なる娯楽ではなく、社会の一部であり、多くの人に夢を与えたり元気づける存在なのだということが分かります。たとえWBCで優勝しても、アメリカの野球文化の奥深さには、まだまだ日本はかなわないですね。与田剛さんはどんな感想をお持ちでしょうか。

2013年6月16日日曜日

MLBチームの別名と与田剛(NL編)

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーリーグチームの別名の話題。アメリカンリーグ編に引き続き、ナショナルリーグ編です。

前回、MLBのチーム名の別名を「長い名前の略称(アスレチックス=A's)」と「チーム名にちなんだニックネーム(インディアンス=Tribe)」に分けてご紹介しました。ナショナルリーグのチームの別名も同じよう2タイプあります。

まず略称タイプですが、アリゾナ・ダイヤモンドバックスがD-Backs、コロラド・ロッキーズがRox、セントルイス・カージナルスがCards、ワシントン・ナショナルズがNatsと略されます。しかし考えてみれば、ニューヨーク・メッツやシンシナティ・レッズは略称がいつの間にか正式名称になってしまったもの。前者はメトロポリタンズ、後者はレッドストッキングスがもともとの名前です。

ニックネームは、先に名前を言いますのでどこのチームか当ててみてください。まずFish。これは簡単でしょうか。マイアミ・マーリンズで、そのまんま「魚」です。米国のスポーツ紙でFishと頭文字が大文字で書かれていれば、マーリンズのことと思って間違いありません。次はCrew。「乗組員」といった意味ですが、これはミルウォーキー・ブリュワーズ。「ブリュワーズの選手」というとき、伝統的にBrew Crewと韻を踏んで表現されることが多いのですが、そのせいでCrewといえばそれだけでブリュワーズを指すようになってしまいました。さて最後はBucs。これは、知らない人にはちょっと分かりませんよね。正解はピッツバーグ・パイレーツ。なぜパイレーツがバックスなのかというと、パイレーツとは「海賊」の意味。海賊のことを別の英語でbuccaneerというのです。これを略して「バックス」。アメフトのチームにタンパベイ・バッカニアーズというのがあるのをご存じの方もいるでしょう。

今年はパイレーツが今日時点で貯金12と好調。米国のスポーツ紙やWebサイトを見るとBucsの文字が躍っていることが多いですが、秋までこの勢いは続くでしょうか。ナ・リーグは日本人選手が少ないのでテレビ放送もあまりありませんが、ブリュワーズに青木選手がいますので、Crew VS Bucsの試合は放送される機会があるかも。与田剛さんの解説で楽しみたいですね。



2013年6月13日木曜日

MLBチームの別名と与田剛(AL編)

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーリーグチームの別名、すなわち愛称・略称の話題です。

長い名前が略されたり、わざと別の名前で呼ばれだり、メジャーリーグの球団の多くはファンや関係者が好んで使う別の名称があります。それらは、米国の新聞などでは何の説明もなく使われるので、知らない人は「どこのチームのこと?」と戸惑うかも知れません。

まずは略称パターン。たとえばニューヨーク・ヤンキースはYanksと縮めて書かれます。ボストン・レッドソックスは略してBoSox(ボソックス)、対してシカゴ・ホワイトソックスはChiSox(チゾックス)と略されて区別されています。これは分かりやすいですね。

頭文字にアポストロフィSがつくのは、お馴染みオークランド・アスレチックスのA's、同じようにボルチモア・オリオールズはO's、シアトル・マリナーズはM'sと呼ばれます。これは日本の新聞でヤンキースが「ヤ軍」と書かれるのと同じ感覚でしょうか。

略称ではなく、正式名称にちなんだ愛称を持つのはクリーブランド・インディアンスで、別名「トライブ(Tribe)」。トライブとは「族」を指す言葉で、もちろん北米インディアンにちなんだもの。これは読売ジャイアンツが「巨人」と呼ばれるような感じですね。ロサンゼルス・エンゼルスの別名は「ヘイローズ(Halos)」。ヘイローはエンゼルスが創立以来シンボルとして使い続けている「天使の輪」を意味します。

最近の米国の新聞記事を見ると、“Tribe win in dramatic walk-off fashion”(トライブが劇的なサヨナラ勝利)、“Markakis, Gonzalez help O's trim Halos”(マーケイキスとゴンザレスの活躍でO'sがヘイローズを退ける)といった見出しがありました。チームの愛称を知らなければ何のことか分かりません(笑)。

与田剛さんの解説はMLBに詳しくない人にも分かりやすいと好評ですが、こういった「分かる人にしか分からない」情報もたまにはいいですね。



2013年6月8日土曜日

ヤンキースにドラフト2位指名された日本人選手と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先日行われたMLBのドラフト会議で、なんと日本人の高校生が指名されたという話題。

もう多方面で報道されていますが、カリフォルニア州ランチョバーナード高校の加藤豪将(ごうすけ)内野手が、今年のMLBドラフト会議でニューヨーク・ヤンキースから2巡目(全体66位)指名されました。加藤君は185センチ、83キロ、右投左打でポジションは二塁手。これまで日本人でMLBチームにドラフト指名された選手は数名いますが、現千葉ロッテ・マリーンズの藤谷周平投手が18巡目でサンディエゴ・パドレスに指名されたのが最高。日本国内ではまったく無名の高校生がヤンキースから上位指名されたということで、その日のスポーツマスコミは上を下への大騒ぎになりました。

加藤君は東京の出身。父親の仕事の関係で幼い頃に渡米。高校では今季33試合に出場し、110打数39安打で打率.355。アベレージだけでなく本塁打11、二塁打10、三塁打2と長打力も併せ持ち、計31打点をマークしています。指名したヤンキースのスカウトは特に彼の守備力と走力に注目しており、現在メジャー屈指の二塁手であるロビンソン・カノの後継者候補として注目しているそうです。本人の憧れの選手はやはりというか、イチローだそうですが。8年前に加藤君とサンディエゴの野球教室で会ったという元テキサス・レンジャースの大塚晶文氏は、彼の印象を次のように語っています。

「ひとことでいえば5ツールタイプ。打撃では一発もあるし、セーフティーバントなどの小技も出来る。選球眼もよく、ファウルで粘って四球を取ることも出来る。コンタクト能力が高く、広角に打ち分けられるのも魅力で、コンスタントに安打を量産できる」。

「カノ(ヤンキース)というよりも、チェイス・アットリー(フィラデルフィア・フィリーズ)に近いタイプ。足が速く、二塁手としての守備力もレベルが高い。野球だけでなく学力も優秀で非常に頭のいい選手。早ければ2、3年後にも、メジャーへ昇格するチャンスがあるかもしれない」。

実は加藤君はUCLAへの進学が内定しているということですが、ヤンキースが強引に上位指名したのは、大学で活躍して他チームに注目されることを恐れたからとも言われています。その逸材ぶりを早く与田剛さんの解説で見てみたいものですね。



2013年6月2日日曜日

今季に勝負を賭けたチームの低迷と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、大型補強を断行したものの開幕2ヶ月を経て下位に低迷したままのチームの話題。

昨オフは、いわゆるブロックバスターと呼ばれる大型トレードがいつになく多く行われました。その中心的な存在が、マイアミ・マーリンズが「売り払った」大物FAをまとめて引き受けたトロント・ブルージェイズ。先発ローテーション投手2人にリードオフマンを一気に獲得し、これでその気になったのかニューヨーク・メッツから昨年サイ・ヤング賞のR.A.ディッキーを、さらにサンフランシスコ・ジャイアンツから薬物違反で後半戦を謹慎したメルキー・カブレラを獲得。もともといる中心打者はそのまま残留し、突如オールスター級のチームに生まれ変わったのでした。

しかしながら現在チームはアメリカンリーグ東地区最下位。1位から4位までが1.5ゲーム差にひしめく激戦区で、首位から8.5ゲーム差と一人だけ置いてけぼりを食っています。鳴り物入りで獲得した先発投手は揃って防御率5点以上、その一人ジョシュ・ジョンソンは故障者リスト入り。唯一期待通りの活躍をしていたホセ・レイエス遊撃手はスライディング時の故障でこちらも離脱中。結局さほど昨年と変わらないメンバーで試合しているのですから、ファンも興ざめしようというもの。

カンザスシティ・ロイヤルズも「今季に勝負をかけた」チームですが、こちらはアメリカンリーグ中地区最下位。エースとして獲得したジェームズ・シールズは防御率2.96と頑張っていますがまだ2勝と、打線の弱さは目を覆うばかり。若い中軸打者はなかなか調子が上がらず、総得点数はア・リーグの下から3番目。一点差での負けゲームがリーグ最多の12で、このあたりの勝負弱さも浮上できない理由と思われます。先日、球団副社長であり殿堂入りしている往年の「ミスター・ロイヤルズ」ジョージ・ブレット氏が急きょバッティングコーチに就任しましたが、そんなことしか話題にならないのが寂しい限りです。

ナショナルリーグでは、オフはあまり動きませんでしたが、昨シーズン後半に大物を獲得したのがロサンゼルス・ドジャース。こちらも現在地区最下位。エイドリアン・ゴンザレス、カール・クロフォードら昨季移籍してきた選手はまずまず働いており、投手はエースのクレイトン・カーショウ、韓国から来た柳賢振の左腕コンビが好調を見せていながら、チームの総得点数がリーグで下から2番目。中軸を打つスターのマット・ケンプが打率.250と不振ではありますが、同じような得点力でもワシントン・ナショナルズは東地区2位なのですから、ドン・マティングリー監督の解任が噂されるのも仕方がないように思えます。

いずれのチームもここが踏ん張りどころ、このままズルズルとオールスターまで行ってしまったら、後半戦の前にせっかく揃えた高額年俸選手を上位チームに売り渡すことになるでしょう。数年後のスター候補生を放出してまで「現在のスター選手」を揃えた各チームのGMは青くなり、反対にスターを放出してプロスペクトを獲得したチームのGMは胸をなでおろしているかも知れません。今のところはこのような結果になっていますが、与田剛さんはどのように見ているでしょうか。