2013年8月22日木曜日

ついに4000本安打達成!のイチローと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ニューヨーク・ヤンキースのイチローが日米通算4000本安打を達成した話題。

現地8月21日、ヤンキースタジアムでのトロント・ブルージェイズ戦。2番ライトで最初の打席に入ったイチローは、昨年のナショナルリーグのサイ・ヤング賞投手R.A.ディッキーのナックルボールを流し打ち。鋭い打球は三塁手の右を破り、レフト前に到達。このヒットがメジャー通算2722本目、日本で放った1278本と合わせて合計4000本の大台に乗せた瞬間でした。メジャーで4000本以上のヒットを打っているのはタイ・カッブとピート・ローズただ2人だけです。

記念すべきヒットを放ちイチローが一塁に立つと、球場全体からスタンディングオベーションが湧き起こりました。続いてヤンキースベンチから選手全員が出てきて祝福、次々にイチローとハグを交わします。その間、試合は中断された形になりましたが、マウンド上のディッキーは「ああいう瞬間は必要だった。それに値する選手だ」と笑顔で納得のコメント。

ブルージェイズの二塁手、イチローの弟分の川崎も守備位置でグラブを外して拍手。レフトから戻ってきたボールを受け取ると、大事そうに撫でまわしてヤンキースベンチに返しました(あまり長い間ボールを持っていたので、審判に「早く返せ」と怒られていました)。川崎は、この後イチローが進塁するとこっそりセカンドベース上でグータッチ。「師匠」の記録達成の瞬間のことを聞かれてこう語っています。「4000本目のヒットのボールに日本人で僕が最初に触れた。同じボールだけど、全然違うボールのような感じがした。なんか、ズシッと、思いがね」。

「日米合わせて」の記録ということで、アメリカ人はさほど関心を示さないと予想されましたが、意外なほどの祝福ムードにイチロー自身も「半泣きになった」のだそう。ニューヨークタイムスは「野球史の偉人の地位を不動にした」と評し、ESPNは。「彼は殿堂入りするだろう」とと予言。「マイナーでの記録を合わせれば4000本以上のレコードホルダーはあと3人増える」というやや意地悪な記事もありましたが、それでも上には5人しかいないということであり、逆にイチローの凄さを強調してしまった感があります。

イチローは今年39歳。一昨年に連続年間200本安打の記録も途切れ、ヤンキースではスタメンを外れる日もあるなどキャリアの下り坂にあると思われがちですが、ゴールドグラブ級の外野守備と走塁の技術は健在です。次の目標はメジャーでの3000本安打で、あと270本少々。これを達成するにはおそらく2年の時間を要するでしょうが、それを達成する過程でメジャー記録である4256本の「ピート・ローズ超え」が射程内に入ります。これまでほとんど故障のないイチローですから、決して無理な数字ではありません。新記録の試合がWBCでともに戦った与田剛さんの解説なら最高ですね。





2013年8月18日日曜日

負け方を忘れた?ドジャースの快進撃と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今シーズン今ひとつのスタートで期待外れと言われながら、オールスター後は絶好調であっという間にナショナルリーグ西地区で独走態勢に入ってしまったロサンゼルス・ドジャースの話題。

とにかく最近のドジャースの勢いは凄まじいと言うほかありません。今日のゲームにも勝って、10連勝を記録。昨年後半から多くの資金を投入してスター選手を積極的に補強し、今シーズンは優勝候補の筆頭にあげられながら6月終了時点で37勝43敗と冴えない戦績。ドン・マティングリー監督のシーズン中解雇が噂され始めた6月中旬から急にエンジンがかかり、地区首位にいたアリゾナ・ダイヤモンドバックスをあっと言う間に追い抜いてしまいました。月別の勝敗を見ると、今シーズンのドジャースの極端さがよくわかります。

4月 12勝 13敗      
5月 10勝 17敗(8連敗を含む) 
6月 15勝 13敗(6連勝を含む)
7月 19勝   6敗(6連勝を含む)
8月 15勝   1敗(10連勝中)

すでに貯金は20以上、開幕時とはまるで別のチームになったかのようですが、その立役者はやはりキューバから亡命して旋風を巻き起こし続けているヤシエル・プイグでしょう。ドジャースの「逆襲」はプイグの昇格とぴったり一致しているからです。プイグは現段階で打率.364、11本塁打を記録。そして何より恐れを知らない超積極的な外野守備で、いくつものヒット性の当たりをアウトにしてきました。打球を追ってフェンスにぶつかることも数知れず、ファンとしてはケガだけはしないでほしいと祈りながらも、プイグの信じられない身体能力を目の当りにすると、もっと彼の守備位置に難しい打球が飛んでほしいと願ってしまいます。

投手では今シーズンの新戦力、ザック・グレインキーが11勝3敗。柳賢振が12勝3敗と活躍。さらに7月のトレード期限前にマイアミ・マーリンズから獲得したリッキー・ノラスコが移籍後7試合で4勝をあげる好調ぶりを見せれば、エースのクレイトン・カーショウが二度目のサイ・ヤング賞を獲得しそうなパワーピッチングを披露。カーショウは12勝7敗と意外に勝ち星が伸びていませんが、これは打線の援護に恵まれない不運によるもので、防御率1.80はメジャー全体で堂々1位。クローザーはケンリー・ジャンセンが健在、ブランドン・リーグも復調しており、ダブルストッパーで火消しを務めます(与田剛さんも中日のクローザーでした)。

2位Dバックスを5ゲーム差で引き離し、米国のスポーツ紙では「負け方を忘れてしまった」と評されるほどの圧倒的な強さを見せるドジャース。この調子でさらに2位との差を広げていくのか、終盤にまだ波乱があるのか、与田剛さんの解説で楽しみたいですね。



2013年8月16日金曜日

ロサレスの「ヨーヨーのような」移籍と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、アダム・ロサレス内野手のちょっと奇妙な移籍の話題。選手の流動性が高いMLBでは、1シーズンに複数回移籍する選手もたまにいます。しかし、今シーズンのアダム・ロサレスの「10日間で3回」、しかも4チームを渡り歩いたのでなく2チームの間を行ったり来たりした移籍はメジャーの歴史に残るかも知れません。

移籍の話の前にロサレスを簡単にご紹介。今年でメジャー6シーズン目をオークランド・アスレチックスで迎えたロサレスは30歳。通算打率.220、通算本塁打数19本。規定打席に達したことはなく、内外野どこでも守れるいわゆるユーティリティ・プレーヤーとしてチームの穴を埋める使われ方をされてきました。本人には失礼ですが、彼の名前を知っているのは米国の野球ファンでも少数派かもしれません。

実は今年、移籍の前に、ロサレスの名が一瞬脚光を浴びた「事件」がありました。5月8日のクリーブランド・インディアンズ戦、4対3でA'sが1点を負う9回、ロサレスが放った一打はレフト外野スタンドの手すりに当ってフィールドに跳ね返ってきました。これはもちろんホームラン。しかし審判はなぜかツーベースを主張。A'sのボブ・メルビン監督の抗議によりビデオを再確認しても判定は覆らず、激昂したメルビン監督は退場を宣告され、A'sはそのまま4対3で敗れロサレスもヒーローになり損ねました。しかしビデオではっきりとボールがスタンド内の手すりに当っているところが映っていたことから、後日バド・セリグコミッショナーはこれを誤審と認め、記録の訂正はしないものの今後のビデオ判定導入の可能性を示唆しました。

これでケチがついたわけではないでしょうが、8月1日にA'sはロサレスにDFAを通告。DFAとはメジャーの40人枠に空きを作るために行うもので、この間、選手はどこのチームにも所属していない形になり、他のチームが獲得することが可能になります。ロサレスのどこでも守れる器用さを買ったのか、すぐにテキサス・レンジャースが獲得を表明しました。

ロサレスがレンジャースの一員となって4日後、MLBには大激震が走ります。そう、禁止薬物使用選手の大量処分です。レンジャースはレギュラー外野手のネルソン・クルーズが今季残り試合の出場停止となり、チームはマイナーから2人の新人を引き上げることを決定、その席を空けるためにロサレスは再びDFAを通告されてしまいます。

そのロサレスの獲得に手を挙げたのはなんと数日前に彼を放出したA's。すぐさま遠征先のトロントに飛ぶ搭乗券を渡され、ロサレスは一打席を経験します。しかしA'sはたった2日で再びロサレスをDFAにし、次に彼の獲得を表明したのは再びレンジャース。クルーズの後釜となる強打者アレックス・リオスの獲得に成功したことで、引き上げた新人2人の併用を早々に打ち切り、手堅い守備のロサレスを呼び戻したというわけです。

わずか10日ほどの間に2チームの間を行ったり来たり、おそらくこのような移籍劇はMLB史上初めてではないでしょうか。アメリカのスポーツ紙では「The Yo-Yo journey」という見出しでロサレスの名が「幻のホームラン」に続いて再び脚光を浴びました。与田剛さんも移籍の経験がありますが、いくら求められての移籍でも10日間で3回の移籍はちょっと勘弁してほしいですよね。


2013年8月7日水曜日

A-Rodの異議申し立てと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、禁止薬物使用で多くの選手に処罰が下された話題。処分対象となった選手の中でただ一人、A-Rodことニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲス三塁手のみがこれを不服として異議申し立てを行っています。

マイアミのクリニックが多数のMLB選手に禁止薬物を販売しているというスクープ記事に端を発した「バイオジェネシス・スキャンダル」。先日、ミルウォーキー・ブリュワーズの四番打者ライアン・ブラウンが今季の残り全試合の出場停止を受け入れたことが報道され、これは大量処分の序曲にすぎないという見方がありましたが、ついに8月6日、MLBのバド・セリグコミッショナーが疑いのある13選手に出場禁止の処分を下しました。

対象となる選手は次の通り。出場停止期間はロドリゲスが今季の残り試合と来季の全試合211試合、他の選手は50試合とのことです。

アレックス・ロドリゲス(ヤンキース内野手)
ネルソン・クルーズ(レンジャース外野手)
エバース・カブレラ(パドレス内野手)
ジョニー・ペラルタ(タイガース内野手)
アノトニオ・バスタード(フィリーズ投手)
フランシスコ・セルベリ(ヤンキース捕手)
ジョーダニー・バルデスピン(メッツ外野手)
ヘスス・モンテロ(マリナーズ捕手)
他 5名のマイナーリーガー

もともと禁止薬物の一掃を目指しているコミッショナーは、このスキャンダルについても徹底した調査を行っており、各選手に言い逃れできないほどの「圧倒的な」証拠をつきつけたと言われています。それだけに、だれもが比較的素直に処分を受け入れ、クルーズのように謝罪会見を行う者もありました。しかし、ロドリゲスだけは「戦う」姿勢を見せています。

現在A-Rodは38歳、処分を受け入れて復帰できるとしても、2015年シーズンは40歳。すでに力の衰えを隠しきれないところまできているのに、このままでは事実上の引退になってしまう可能性が濃厚です。また、A-Rodは現在メジャー最高年俸を受け取っていますが、処分期間中は無給となり、約3420万ドル(約34億2千万円)が失われてしまうそうです。このことは、下り坂の選手に払う莫大な給料を節約できるヤンキースにとっては好都合でもあります。8月2日、処分を前にした会見でA-Rodは「僕をフィールドから遠ざけることで、利益を得る団体が複数ある」と発言。暗にヤンキースを批判し、自分は陥れられているというポーズを見せました。

昨年末に臀部の手術を受け、リハビリのために今シーズンはずっと故障者リストに入っていたA-Rodですが、処分発表の日のホワイトソックス戦に強行出場。大ブーイングの中ヒットを1本放つなど、必死のアピールを見せました。A-RodはMLB機構に異議申し立てを行っているので第三者機関の裁定が下されるまでは処分保留となりますが、見込みは甘くありません。

不祥事はもちろんないに越したことはありませんが、起こってしまったら隠さず白黒はっきりつけるのがメジャーリーグの良いところではあります。問題が起こってもうやむやに済ませることが多い日本のプロ野球も見習ってほしいと思うのですが、与田剛さんはどのようにお考えでしょうか。