2013年8月16日金曜日

ロサレスの「ヨーヨーのような」移籍と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、アダム・ロサレス内野手のちょっと奇妙な移籍の話題。選手の流動性が高いMLBでは、1シーズンに複数回移籍する選手もたまにいます。しかし、今シーズンのアダム・ロサレスの「10日間で3回」、しかも4チームを渡り歩いたのでなく2チームの間を行ったり来たりした移籍はメジャーの歴史に残るかも知れません。

移籍の話の前にロサレスを簡単にご紹介。今年でメジャー6シーズン目をオークランド・アスレチックスで迎えたロサレスは30歳。通算打率.220、通算本塁打数19本。規定打席に達したことはなく、内外野どこでも守れるいわゆるユーティリティ・プレーヤーとしてチームの穴を埋める使われ方をされてきました。本人には失礼ですが、彼の名前を知っているのは米国の野球ファンでも少数派かもしれません。

実は今年、移籍の前に、ロサレスの名が一瞬脚光を浴びた「事件」がありました。5月8日のクリーブランド・インディアンズ戦、4対3でA'sが1点を負う9回、ロサレスが放った一打はレフト外野スタンドの手すりに当ってフィールドに跳ね返ってきました。これはもちろんホームラン。しかし審判はなぜかツーベースを主張。A'sのボブ・メルビン監督の抗議によりビデオを再確認しても判定は覆らず、激昂したメルビン監督は退場を宣告され、A'sはそのまま4対3で敗れロサレスもヒーローになり損ねました。しかしビデオではっきりとボールがスタンド内の手すりに当っているところが映っていたことから、後日バド・セリグコミッショナーはこれを誤審と認め、記録の訂正はしないものの今後のビデオ判定導入の可能性を示唆しました。

これでケチがついたわけではないでしょうが、8月1日にA'sはロサレスにDFAを通告。DFAとはメジャーの40人枠に空きを作るために行うもので、この間、選手はどこのチームにも所属していない形になり、他のチームが獲得することが可能になります。ロサレスのどこでも守れる器用さを買ったのか、すぐにテキサス・レンジャースが獲得を表明しました。

ロサレスがレンジャースの一員となって4日後、MLBには大激震が走ります。そう、禁止薬物使用選手の大量処分です。レンジャースはレギュラー外野手のネルソン・クルーズが今季残り試合の出場停止となり、チームはマイナーから2人の新人を引き上げることを決定、その席を空けるためにロサレスは再びDFAを通告されてしまいます。

そのロサレスの獲得に手を挙げたのはなんと数日前に彼を放出したA's。すぐさま遠征先のトロントに飛ぶ搭乗券を渡され、ロサレスは一打席を経験します。しかしA'sはたった2日で再びロサレスをDFAにし、次に彼の獲得を表明したのは再びレンジャース。クルーズの後釜となる強打者アレックス・リオスの獲得に成功したことで、引き上げた新人2人の併用を早々に打ち切り、手堅い守備のロサレスを呼び戻したというわけです。

わずか10日ほどの間に2チームの間を行ったり来たり、おそらくこのような移籍劇はMLB史上初めてではないでしょうか。アメリカのスポーツ紙では「The Yo-Yo journey」という見出しでロサレスの名が「幻のホームラン」に続いて再び脚光を浴びました。与田剛さんも移籍の経験がありますが、いくら求められての移籍でも10日間で3回の移籍はちょっと勘弁してほしいですよね。


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