2012年9月30日日曜日

7年越しの夢をかなえるグリーンバーグと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、マイアミ・マーリンズと一試合だけの契約を結んだアダム・グリーンバーグ選手の話題です。

アダム・グリーンバーグと聞いて「ああ、あの選手か」と言える人はかなりのメジャー通。なんといっても彼は過去にメジャーの試合に出場したのは代打での一回きりなのですから。

2005年7月9日、2日前にマイナーからシカゴ・カブスに昇格した24歳のグリーンバーグは、かつてカブスの英雄であったマーク・グレースがつけていた背番号17のユニフォームに身を包み打席に向かいます。対するフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)の投手は左腕のバレリオ・デ・ロス・サントス。そして運命の1球目、デ・ロス・サントスがグリーンバーグに投じた147キロの速球(与田剛さんも150キロ以上の球を投げました)は、手元が狂ったのか、左打席のグリーンバーグの後頭部を直撃。ヘルメットは吹っ飛び、グリーンバーグは頭を押さえて倒れ込みました。

しばらくして立ち上がり、自分で歩いて退場したグリーンバーグでしたが、死球による色覚障害やめまいなどの後遺症に苦しみ、カブスからは解雇されてしまいます。しかし野球への情熱は捨てがたく、その後はマイナーリーグや独立リーグでプレーを続け、またユダヤ家系であることからイスラエル代表メンバーとしてWBCの予選にも出場しました。これを知ったカブスのファンが、なんとか彼にもう一度メジャーの一打席を、それもオープン戦などではない公式戦での一打席をプレゼントしようと声をあげ、因縁の相手でもあるマーリンズがそれに応じたのです。今のところ、グリーンバーグのメジャー記録は「出場試合1、打数0」。死球は打数には数えられないので、彼には試合に出場した以上の記録が残っていないのです。

グリーンバーグが出場機会を与えられるのは10月2日のマーリンズ対ニューヨーク・メッツ戦。どんな形で出場するかはわかりませんが、球団は彼に打席を与えると明言しています。こんな粋なはからいができるのもメジャーならではですね。

グリーンバーグは「ヒットを打っても打たなくても、これはすでに成功だ」とコメント。
「人生は、頭にカーブやストレートを投げつけてくることがあり、私はそれでノックダウンされた。そこで倒れたままでいることもできたが、私は再び立ち上がって打席に入ることを選んだ」
この言葉に勇気付けられる人もいることでしょう。彼の「契約金」は脳障害の研究機関に寄付されるそうです。与田剛さんなら彼の一打席をどのように解説するでしょうか。


2012年9月29日土曜日

45年ぶりの三冠王候補出現と与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、アメリカン・リーグで45年ぶりに三冠王が生まれるかも知れないという話題です。ちなみに、45年前の最後の三冠王とは、ボストン・レッドソックスのカール・ヤストレムスキーです。

その選手は、デトロイト・タイガースのミゲル・カブレラ三塁手。本日(9月28日)現在の成績は、打率1位(.326)、打点1位(133打点)、本塁打2位(42本)。本塁打だけが2位ですが、1位はテキサス・レンジャースのジョシュ・ハミルトンの43本ですから完全に射程内。しかも残りの6ゲームはミネソタ・ツインズ、カンザスシティ・ロイヤルズとの3連戦。投手力の弱い下位チーム相手だけに本塁打の出る可能性は十分です。

カブレラはベネズエラ生まれの29歳。父は元野球選手、母はソフトボールのベネズエラ代表、おじは元マイナーリーガーという野球一家に生まれ育ちました。10代の頃から抜群の野球センスを発揮し、フロリダ・マーリンズと契約して20歳でメジャー昇格。なんとデビュー戦でサヨナラ本塁打を放つという離れ業を演じます(史上3人目)。デビュー年、本塁打と打点は新人選手としてリーグ2位、長打率.468は同1位、新人王投票では5位にランクされました。与田剛さんはデビューの年、新人王に輝きましたね。

カブレラのこれまで獲得した打撃タイトルは、2008年に本塁打王(37本)、2010年に打点王(126打点)、2011年に首位打者(.344)と、すでに主要タイトルは経験済み(順位はすべてア・リーグ)。昨年までナショナル・リーグにいてアルバート・プホルス、ライアン・ブラウンというトップレベルの右の強打者を身近で見てきた同僚のプリンス・フィルダーは、「ミギー(カブレラの愛称)はその2人と存在感が全く違う。大砲なのにミート力もすごい。現代最高の右打者だ」と絶賛しています。

素行の悪さと太りやすさから、「自己管理ができていない」と批判されることがあるものの、実は故障者リストに入ったことはなく、守備でも意外に俊敏なところを見せることがあるカブレラ。タイガースは9月まで首位を守っていたシカゴ・ホワイトソックスを抜き去って現在ア・リーグ中地区首位。チームが優勝して三冠王を獲れれば、MVPの勲章もぐっと近くなります。全盛期の与田剛さんと勝負したらどうなるでしょうか?



2012年9月27日木曜日

ナショナル・リーグの最後の1枠と与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ナショナル・リーグのワイルドカード争いです。

今年からワイルドカード(地区優勝チーム以外で一番勝率の良いチームがプレーオフに出られるシステム)の枠がアメリカン、ナショナルともに2つになったメジャーリーグ。予想通り、9月になっても激戦続きで、システムの変更を企画したMLBの事務局も大満足でしょう。現在、ナショナルリーグはプレーオフ進出チームが決定、ワシントン・ナショナルズ、シンシナティ・レッズ、サンフランシスコ・ジャイアンツがすでに勝利の美酒を飲みました。

そして昨日ワイルドカードの1枠をアトランタ・ブレーブスが確保。昨年は1勝が足りず涙を飲んだブレーブス、今年は見事に雪辱を果たしました。これでワイルドカード枠はあと一つ。現在のところセントルイス・カージナルスが頭一つ抜け出しており、ロサンゼルス・ドジャースとミルウォーキー・ブリュワーズが全く同じ勝敗数で追いかけています。カージナルスとドジャース、ブリュワーズのゲーム差は4.5。この時期、普通に考えれば追いつくには絶望的な差ですが、何が起こるかわからないのが9月、まだまだ波乱の可能性は残されています。

とくにこの9月のブリュワーズの快進撃は驚異的でした。前半戦ふるわず、トレード期限直前にエースのザック・グレインキーをロサンゼルス・エンゼルスにトレードで放出したときは、多くの人の頭に「終戦」の二文字が浮かんだはず。しかしブリュワーズは8月以降調子を取り戻し、9月に入って猛チャージ。昨日、一昨日と痛い連敗を喫してしまいましたが、それまでは16勝5敗というハイペースで勝ち進み、カージナルスにもう少しで手が届くところまで接近していました。

選手で好調なのは昨年MVPのライアン・ブラウン左翼手、長打力のあるアラミス・ラミレス三塁手、骨折から復帰したジョナサン・ルクロイ捕手、そして切り込み隊長として定着した青木宣親右翼手。9月21日、9回に逆転の口火を切った青木のバントヒットは、ロン・レネキー監督も「パーフェクト」と評した見事なもの。俊足としぶとい打撃で、青木もれっきとした新人王候補の一人です。そして投手ではクローザーのジョン・アクスフォードが安定してセーブを稼いでいます。与田剛さんも中日ドラゴンズのクローザーでしたね。

ブリュワーズにとって有利な材料は、残りの対戦相手がすでに優勝を決めたレッズ、次が今季105敗している今季メジャー最弱のヒューストン・アストロズ、最後はこちらも今季終了ムードのサンディエゴ・パドレスであること。レッズはプレーオフに勝ち残れば対戦する可能性がありますので潰しにくるでしょうが、アストロズとパドレスはモチベーションそのものが低いはず。いっぽうカージナルスはレッズ、ナショナルズという強敵と6連戦があります。こうなると、ブリュワーズが最後の最後で大逆転というシナリオも夢ではないかも?多少ひいき目すぎる見方かも知れませんが、やはり日本人に一人でも多くプレーオフに出てほしいですからね。与田剛さんもきっと同じ思いではないでしょうか。

2012年9月26日水曜日

イチローの週間MVP受賞と与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先週の週間MVPを受賞したイチロー選手です。

多くの日本人ファンにとって、今年のメジャーリーグの最大の「事件」はイチロー選手の電撃トレードでしょう。7月末のトレード期限間際になって、イチローは12年間在籍したシアトル・マリナーズから名門ニューヨーク・ヤンキースに移籍しました。与田剛さんも中日から日本ハム、阪神へと移籍しましたね。

たしかに微妙な時期ではありました。
昨年、10年連続の200本安打の記録が途切れ、力の衰えが見え始めたイチロー。チームも2001年に記録的な勝利数で地区優勝を果たして以来10年間プレーオフから遠ざかり、ここ数年は打率だけでなく出塁率の低下からイチローが「戦犯」扱いされることもありました。このままでいいのか?とファンもそろそろイチローとマリナーズの関係に疑問を持ち始めた時期ではありましたが、まったく何の前触れもなく断行されたトレードには驚きました。

イチローがヤンキース入りを発表し、初めてヤンキースの一員として試合に出たのが7月23日。前日までマリナーズはタンパベイ・レイズと敵地で対戦し、休みなしで地元シアトルに戻りヤンキース戦から始まるホーム9連戦をこれから戦おうという矢先でした。昨日マリナーズのライトを守っていたイチローが今日は敵方のベンチに入っているのですから、23日に何も知らずにテレビをつけたファンは目を疑ったでしょう。ダブルヘッダーの1試合目と2試合目の間にトレードが決まり、2試合目は敵方のチームに移った選手もいるというメジャーですから特に珍しい出来事ではありませんが、プレーしているマリナーズの選手も、なんとなくキャンプ中の紅白戦のような感覚があったのではないでしょうか。

移籍当初、イチローのヤンキースでの打順は8番。相手投手によってはベンチスタートもあるなど、これまでスターとして君臨してきた選手には屈辱とも思える起用のされ方で、見ているほうも多少つらいものがありました。しかし、さすがはイチロー。「脇役」になってプレッシャーから開放されたのか、尻上がりに調子を上げ、9月中盤から大爆発。その週は25打数15安打、2本塁打、5打点、7得点、6盗塁。そして数字には残りませんが外野での好プレーも連発。ルーキー時代を思わせる打って走って守っての大活躍に刺激されてヤンキースも連勝、オリオールズを振り切っての地区優勝が目の前です。最近は打順も名手デレク・ジーターに続く2番に「格上げ」されました。来季の契約は現段階では白紙のイチローですが、ファンとしてはぜひこのままヤンキースでプレーしてもらいたいものです。

いっぽうマリナーズのほうもイチローが去って以来、ライトに入ったエリック・テームズ選手ほか若手が台頭、7連勝と8連勝を記録するなど借金数を大きく減らし、来季以降に明るい兆しが見えてきました(その陰には岩隈投手の活躍もありますが、それはまた別の機会に)。イチローの電撃トレードは、獲得したヤンキース、放出したマリナーズ、いずれにもメリットをもたらしたWIN-WINのトレードになったと言えるでしょう。与田剛さんならどう評価するでしょうか。



2012年9月24日月曜日

延長戦無敵のオリオールズと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今季ひさびさに優勝争いをしているボルチモア・オリオールズについてお話しします。

今年のメジャーリーグは例年にも増して面白いという人が多いようです。なぜなら、アメリカン、ナショナル、両リーグで大きな番狂わせがあったからです。ア・リーグではオリオールズ、ナ・リーグではワシントン・ナショナルズという、地区最下位がほとんど指定席のようなチームが開幕からの好調そのままに終盤に突入。現在オリオールズは、イチロー選手が移籍したニューヨーク・ヤンキースと熾烈な優勝争いを繰り広げており、ナショナルズはすでにナ・リーグ東地区の優勝を決めています。

で、今回はオリオールズにスポットライトを当てます。はっきり言って、このチームがここまで優勝争いに残るとはファンでさえも想像しなかったでしょう。なんといってもオリオールズは昨年まで14年連続で負け越してきたア・リーグ最弱チームのひとつ、シーズン前にはエースのジェレミー・ガスリー投手を放出してしまったのですから、「やる気があるのか」とファンにすら冷ややかな目で見られながら開幕を迎えたのでした。しかし、蓋を開けてみれば、バック・ショウォルター監督の若手選手をどんどん投入する積極的な采配が当たり、「春先の異変」が9月まで続いているのです。

とはいえ、データをみれば、レギュラー野手で3割を打っている選手はゼロ。チーム打率はア・リーグ14チーム中10位、チーム盗塁数はリーグ最少ですから機動力があるとも言えません。投手成績はどうかというと、チーム防御率8位とこれまた平均以下。

なぜこんなチームが貯金を22個も持っているのかというと、最少得点差を逃げ切る粘り強さに理由があると言えるでしょう。それを象徴するデータが、延長戦での圧倒的な強さ。現在のところ延長戦は16連勝中ですが、今季の延長戦勝利のうち11個は敵地のゲーム、つまり表(おもて)に勝ち越してその裏を逃げ切るという、精神的タフネスが求められる場面を確実に制しているということです。個人成績で唯一目立っているのがクローザーのジム・ジョンソン投手で、現在ア・リーグトップの47セーブをあげていることがそれを裏付けています。与田剛さんも現役時代は中日のクローザーとして活躍しましたね。

しかしオリオールズにはジョンソン投手以外にこれといって突出した成績の選手はおらず、日替わりでヒーローが登場しています。そんな中、投手の勝ち頭が昨年まで日本の中日ドラゴンズで活躍したチェン・ウェイン投手(12勝)というのは誇らしいですね。今季からMLBはワイルドカードが2チームに増えましたが、イチローと黒田投手のいるヤンキースとチェン投手のオリオールズがプレーオフで対戦し、その解説が与田剛さんだったら最高です。


2012年9月23日日曜日

お騒がせ監督バレンタインと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーのお騒がせ男、ボストン・レッドソックスのボビー・バレンタイン監督についてお話しします。

2度の千葉ロッテ・マリーンズ監督で日本でもおなじみのバレンタイン監督。日本のプロ野球とメジャーリーグ球団の両方の監督を務めたのはバレンタインが第一号です(もう一人、元日本ハム監督のトレイ・ヒルマン氏がいます)。

30代でテキサス・レンジャースの監督を務めたバレンタインは、1995年にロッテ監督に就任。万年最下位の弱小チームをはつらつとした強豪チームに生まれ変わらせましたが、GMであった広岡達朗氏とのすれ違いもあり一年のみで退団。アメリカ帰国後はニューヨーク・メッツの監督を務め、2001年にワイルドカードからリーグ優勝まで登りつめます。

2002年シーズン後にメッツを退団した後は再び日本でロッテ監督を務め、今度はロッテに日本シリーズ優勝をもたらしました。退任後はアメリカでスポーツ専門テレビ局の解説者をしていましたが、今年からボストン・レッドソックスの監督に就任。それまで監督を務めたチームでは必ず結果を出してきたバレンタインですが、今度ばかりは選手たちとかみ合わず、チームはすでにプレーオフ圏外に沈んでいます。

バレンタインの一番の特徴はその明るいキャラクター。メッツ監督時代の対トロント・ブルージェイズ戦での「事件」は日本のテレビ番組でもたびたび放送されています。その「事件」とは、延長12回に審判に退場を命じられて一旦退場したものの、試合が気になって仕方がないバレンタイン監督はサングラスと付けひげ、黒いTシャツで変装してベンチに戻ってきたというものです(かなり怪しい姿です)。試合はメッツが延長14回にサヨナラ勝ちを収めますが、興奮したバレンタインはベンチを飛び出して選手の歓喜の輪に加わってしまい、退場命令に背いていたことが露呈。この件で罰金と2試合の出場停止処分を食らいます。

歯に衣着せぬストレートな物言いもバレンタインの魅力ですが、これはときどき度が過ぎて問題を引きおこしており、現在のレッドソックス選手との軋轢の原因になっています。まず今年のシーズン序盤、調子が上がらない主軸打者のユーキリス選手のことを「真剣にプレーしていない」と批判、ユーキリスがチームリーダー的な存在ということもあってチームメイトは猛反発。そのままでは関係を修復できないと考えたのか、球団はユーキリスをシカゴ・ホワイトソックスにトレードに出してしまいます。(移籍後ユーキリスは大活躍。ホワイトソックスファンのオバマ大統領はレッドソックスに「感謝」の意を表明して話題になりました)。

今、レッドソックスは調子に乗れないまま大きく負け越してシーズンを終えようとしていますが、バレンタイン監督は今度は「今の時点でこのメンバーは史上最弱」と発言してしまい、さらにファンから失望される結果となりました。この、思ったことをつい口にしてしまう性格は直らないようです。

常に前向きで明るく、選手がエラーしても辛抱強く起用し、うまく自信を回復させる手法でこれまでは成功をおさめてきたバレンタインですが、一度バラバラになってしまったチームをいかに立て直すか、来年が正念場と言えそうです。与田剛さんならばどう解説するでしょうか。

2012年9月20日木曜日

MLBの始球式と与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーリーグの始球式についてお話しします。

始球式は英語で「The first pitch」。ゲスト的な人物がマウンドに上がって最初の一球を投げ、打者はわざと空振りするというセレモニー。メジャーでもスターウォーズやニンジャタートルなど人気キャラクターに扮した人がマウンドに立つ姿がたまに報じられますが、実はこのスタイルの始球式って「日本式」をメジャーが逆輸入したらしいのです。

もともとメジャーの始球式は、スタンドにいるゲスト(大統領などのVIP)がグラウンドにボールを投げ込む形式でした。日本のプロ野球はどういう経緯かわかりませんが、ゲストをマウンドに立たせて第一球を捕手に向かって投げる形で定着します。ゲストは、私が子供のときは、たいていが大臣などの「えらい人」で、子供心に始球式は背広を着た人がやるものだと思っていました。

ところがここ数年、プロ野球はこの始球式をPRもしくは「盛り上げ」の機会として利用するようになり、新発売の商品のキャンペーンガール、公開されたばかりの映画の主演俳優、今年はメダルを持ち帰ったオリンピック選手がマウンドに上がることもありました。さらには始球式での第一投を「プレゼント」とし、当選した一般の人が投げた例もあります。

伝統的な始球式の有り方からすれば、どんどんずれてきたとも思えるのですが、アメリカの反応は違ったようです。日本の始球式を見て「これは面白い」と思ったのでしょうか、ゲストはスタンドからマウンドに引っ張り出され、数万人のファンが注視するという「広告効果満点」のシチュエーションを、フル活用するようになりました。さすが、楽しむことにかけてはアメリカは貪欲です。

とはいえアメリカの始球式の人選は、やはり先達へのリスペクトを大切にする国らしく、フランチャイズ球場にゆかりのある人が多いようです。優勝を決めるプレーオフではさすがに宣伝的な「お遊び」はなく、主催ゲームは大抵フランチャイズ球団の過去の名選手が呼ばれ、彼らは自軍の勝利を祈りつつ投げます。誰が始球式を務めるかはとくに発表されないため、観客も「今日はだれだろう」とワクワクしながら待つのでしょうね。与田剛さんは始球式で投げたことはあるのでしょうか。









2012年9月19日水曜日

MLBのユニフォームと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーリーグのユニフォームについてです。

メジャーも日本も同じように、ホーム用とビジター用の色違いのユニフォームがあります。ホーム用は「Dodgers」のようにチームのニックネームが胸に描かれ、ビジター用には「NEW YORK」のようにフランチャイズの都市名が描かれます。

しかし、バリエーションの多さでは、プロ野球はメジャーにはかないません。中でも種類が多いのはダルビッシュ投手が在籍するテキサス・レンジャース。レンジャースがユニークなのは、通常どのチームもチームカラーは一色なのに、青と赤の二種類があることです。これはテキサス州の旗の色が青・赤・白であることにちなんでいるそうですが、目の覚めるような鮮やかなブルーのユニフォームを見たかと思えば次のシリーズでは真紅のユニフォームを着ているというように、知らない人が見たら別のチームかと思ってしまうほどです。そのせいか、選手もときどき間違ったユニフォームで出てきてしまったりする失敗はあるようで大変です。

メジャーのユニフォームで人気が高いのは、やはりニューヨーク・ヤンキース。ネイビーブルーのピンストライプ、左胸にNYだけのシンプルなホーム用のデザインは、ファッションアイテムとしても格好いいですね。私は軍服を模したサンディエゴ・パドレスの「迷彩ユニフォーム」がお気に入りです。

また、最近は日本のプロ野球でも「オールドスタイル」すなわち復刻デザインのユニフォームを着用してのプレーが見られるようになりましたが、メジャーではかなり以前から集客策の一環として行われています。

復刻ユニフォームを着る日は、以前は「ターンバック・ザ・クロック・デイ(時計を昔に巻き戻す日)」のようなタイトルが付けられて対戦する両チームが昔のデザインのユニフォームを着たものですが、最近ではとくにそのような企画でなくとも、ユニフォームのバリエーションの一環として片方のチームだけが復刻デザインを着ることもあるようです。

懐かしのユニフォームデザインでいまだにインパクトが大きいのは、やはりヒューストン・アストロズの「虹色ユニフォーム」。70年代に実際に着用されたデザインですが、ユニフォームの胸からおなかにかけて、赤からオレンジに至る虹のようなグラデーションが描かれました。今年、楽天ゴールデンイーグルスも期間限定でこのデザインにちなんだ(マネとは言いません)ユニフォームを着ていましたね。

でもこれって、おなかの出ている中年選手にはけっこうつらいデザインですよね。与田剛さんには似合うでしょうか?


2012年9月18日火曜日

MLBの2人の新人王候補と与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーの新人王のことを語ります。

日本人選手のMLBでの新人王は、1995年の野茂英雄投手が第1号。次いで2000年に大魔神こと佐々木主浩投手が受賞しています。

そして第3号はイチロー選手。今では信じられないことですが、イチローは日本人野手で初めてのメジャー挑戦ということもあり、「打率はそこそこいくだろうがパワーがないのでレギュラーを獲れるかどうかも怪しい」という冷ややかな声が、どちらかと言えば強かったのです。

しかしシーズンを終わってみれば、イチローはア・リーグ新人王はおろか、MVP、首位打者、盗塁王、ゴールドグラブ、シルバースラッガー賞と個人表彰を独占。その年のシアトル・マリナーズの史上最多勝での地区優勝の原動力となりました。イチロー自身も1995年の「ノモマニア」現象以上のブームを巻き起こし、アメリカの子供たちはこぞって草野球でイチローのバッティングフォーム(打席で刀を抜いて立てるのに似た構え)を真似したものです。

そして今、MLB新人時代のイチローを超える勢いのスーパールーキーが現れました。しかも2人。ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウトとワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパー、両外野手です。

トラウトは本日段階でア・リーグの打率2位、盗塁1位、得点1位、長打率3位。メジャーに昇格したのが4月末だったので他の選手より1ヶ月実働期間が短いのにこの数字は大したもの。また守備も一級品で、センターバックスクリーン前でジャンプして相手チームのホームランボールをもぎとるスーパーキャッチを何度も披露してくれています。

ハーパーはかつてドラフトで全米1位指名を受けた超逸材。そして21歳のトラウトよりさらに若い19歳。今のところタイトルにからむような数字はあげていませんが、10代でメジャーチームのレギュラーを張るというのは大変なこと。しかも地区優勝をほぼ決めているナショナルズですから、単なる客寄せではありません。左打席から放たれる目にもとまらない鋭い打球は、今後何年かのうちに打撃タイトルを獲ることを予感させます。

トラウトとハーパー、このアメリカン、ナショナル両リーグに同時に現れたスーパールーキーは、そろって今年のオールスターゲームに選出されました。与田剛さんもデビュー年は新人王に輝き、オールスターにも選出されています。ところで、アメリカン・リーグにはダルビッシュ有投手がいます。アの新人王はトラウトかダルビッシュか、気になるところですね。与田剛さんにレポートしていただきたいものです。


2012年9月17日月曜日

ワイルドカードが増えたMLBと与田剛さん

本日の与田剛ファンブログは、今年から様変わりしたメジャーリーグのワイルドカード制度について。

メジャーリーグも大詰め、各地区とも熱戦が繰り広げられていますね。今年は例年にない混戦模様、明らかにプレーオフ争いから脱落したチームもいくつかはありますが、ア・リーグ、ナ・リーグとも各地区の上位3位くらいまではまだまだ望みを捨てていません。なんとか滑り込みででもプレーオフに出られれば、ワールドシリーズに優勝する可能性も出てくるからです。

このワイルドカードという制度、MLBが90年代の半ばにエクスパンション(チーム数の拡大)を積極的に行った際に東西2地区制を東・中・西の3地区制に改編し、このときに取り入れられた制度です。このときから「各地区の優勝チーム以外で一番勝率の高かったチーム」が、ワイルドカードとしてプレーオフに出場できることになったのです。

優勝チームは、シーズンの初めのころに勝ちまくって貯金を作りそのまま逃げ切ることも多いので、プレーオフに入ってからはさっぱり実力を発揮できないことがありますが、ワイルドカードのチームは言ってみれば最後の最後で一番ノッているチーム、そのままの勢いでワールドシリーズを制したチームも少なくありません。

昨年は、このワイルドカード争いが最後までもつれた歴史的な年となりました。シーズン最終戦、ア・リーグはタンパベイ・レイズがなんと6点差をひっくり返して延長の末ヤンキースに大逆転勝利。同率でワイルドカード争いに残っていたレッドソックスはオリオールズに逆転負け。同じ日のわずか数時間の間に明暗が分かれ、レイズが大興奮のうちにプレーオフ進出を決めたのです。

この興奮の一日に味をしめたのか、MLBは今年からワイルドカード進出チームの枠を一つ増やし、2チームがプレーオフに進出できるように制度を改めました。結果、9月になってもまったく白けた雰囲気にならず、さすがに優勝しそうなチームはあるていど絞られてきましたが、いまだにワイルドカード争いはダンゴ状態が続いています。さすがスポーツビジネスの本場、アメリカ。ゲームを面白くするための演出が巧いですね。振り返って日本の野球を見れば・・・。テレビ中継は減るいっぽう、視聴率も下がるいっぽうで、寂しい限り。まあ、一流選手がみんなメジャーに流出するんですから仕方ないといえば仕方ないんですが、その分、知恵を絞ってファンが興奮するような改革をお願いしたいものです。

MLBは9月末までレギュラーシーズンが続き、ほとんど休みもなく10月は地区シリーズ、リーグチャンピオンシップ、ワールドシリーズとプレーオフになだれ込んでいきます。選手の皆さんも大変でしょうが、応援するほうも大変。与田剛さんにぜひレポートしていただきたいです。