2012年11月28日水曜日

2022年まで契約延長したロンゴリアと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、タンパベイ・レイズのエバン・ロンゴリア三塁手が球団と2022年までの契約延長に合意した話題。

ロンゴリアは2008年に新人王を満票で獲得(与田剛さんは1990年のセ・リーグ新人王)、前年サードを守っていた岩村明憲選手が彼にポジションを空けるためにセカンドにコンバートされましたね。ロンゴリアは期待通りの活躍を見せ、ルーキーイヤーから3年連続でオールスターに選出、アレックス・ロドリゲスに代わるアメリカンリーグの代表的な三塁手に順調に成長します。5年間で新人王以外の個人タイトルは獲っていませんが、ここぞというところで試合を決めるのが彼のスターたるゆえん。2011年最終戦での、レイズのワイルドカード進出を決めるサヨナラ本塁打は長くファンの記憶に残る一打です。

今シーズンはスライディング時の故障で長期にわたって故障者リスト入り。わずか74試合しか出場できませんでしたが、なんと先日、球団との間で2022年までの契約延長に合意したことが発表されました。現在の契約も2016年までありますので、6年の延長。そのあと1年は球団が権利をもつオプションとのこと。年俸は17年以降1600万ドル(約12億円)、日本人の感覚からすれば巨額の契約ですが、昨今のメジャーの感覚からすれば「まずまず」のスケール。むしろロンゴリアが大きな故障なく現在のペースで活躍できれば、バーゲン価格だという評論家もいるほどです。

このような長期契約は現在のメジャーリーグではそれほど多くありません。長くても5~6年程度で、FA取得時にたいていの選手が他のチームに移籍します。今回の契約でレイズはロンゴリアにずっとチームの中心選手として扱いたいという誠意を示したと言えるでしょう。しかも今年、彼はシーズンの半分を棒に振る故障をしたわけで、普通なら球団は長期契約に不安を持つもの。その年に契約延長を保証してもらえたわけですから、ロンゴリアも感激したのではないでしょうか。そのキャリアのすべてを一球団で終える選手のことをフランチャイズプレーヤーと言いますが、ロンゴリアもその道が拓けたというわけです。

他にフランチャイズプレーヤーといえば、ニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーター遊撃手、マリアーノ・リベラ投手、今年引退したアトランタ・ブレーブスのチッパー・ジョーンズ三塁手が思い浮かびます。ジーターもリベラも残されたキャリアはそれほど長くないだけに、彼らが最後のフランチャイズプレーヤーではないかとも言われましたが、ロンゴリアが続きそうですね。

ところで、このオフは最下位に沈んだマイアミ・マーリンズがレギュラークラスの選手をほぼすべて放出したことが話題になりましたが、トロント・ブルージェイズに放出されたマーク・バーリー投手が「(マーリンズに)契約時に長い付き合いになると言われたのに騙された」と憤慨しているというニュースがありました。90年代の球団数拡張(エクスパンション)で誕生した同じフロリダ州のレイズがこのように選手との信頼関係を見せたいっぽうで、マーリンズはいまだに選手を集めては解体しての繰り返し。明暗がくっきり分かれたようですが、与田剛さんならどのように解説されるでしょうか。




2012年11月25日日曜日

キューバとの強化試合に連勝したWBC日本代表と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先ごろ行われたキューバとのWBCをにらんだ強化試合に日本代表チームが連勝した話題。

イチロー、ダルビッシュ、黒田、青木、岩隈ら日本人メジャーリーガーが全員辞退の今回のWBC。実績ある中島、藤川もメジャー挑戦があるだけにおそらく出場は無理。若手中心のオーダーでアマチュア最強のキューバ相手に一体どんな戦いぶりになるのか、期待と不安半々で迎えた強化試合でしたが、フタを開けてみれば日本の2連勝。キューバもベストメンバーではなかったようでしたが、なんだかんだ言って勝ちは勝ち、気持ちのいいものです。2試合でキューバに1点しか取らせなかったことから、投手コーチの与田剛さんも胸をなでおろしているのではないでしょうか。

2試合とも7人の投手を登板させるなどテスト的な色合いが強く見られましたが、2試合目の先発、巨人の沢村投手は2イニングスを投げて4三振と好調をアピール。与田コーチも「ストレートを狙われて打たれた時に変化球でどう対応できるかを見たかった。そういった意味では(初回グリエルに)3球スライダーを続けて三振に仕留めるとかきっちりできていた」と評価。また、2試合とも最後の締めくくりに登板したのは横浜の山口俊投手。両方の試合でセーブをあげて期待に応えました。この山口ともう一人、西武の涌井投手がクローザー候補になりそうです。

今回のWBCの日本チームは「世代交代」が大きな課題。その中でも気になるのは、これまで強力にチームを引っ張ったイチローに代わるリーダーを誰が担うか。城島も引退したので巨人の阿部が候補ですが、イチローのカリスマ性にくらべれば(仕方ないとはいえ)少々見劣りがしますし、故障があることからフル出場にも不安があります。阿部がフィールドにいないとなると、他のメンバーの顔触れを想像すると今ひとつおとなしい印象がぬぐえません。今年のワールドシリーズで、試合前に円陣を組み、鬼の形相でメンバーに気合を入れていたサンフランシスコ・ジャイアンツのハンター・ペンスは、実はまだ28歳。若くてもリーダーシップのある選手がいればチームを引っ張ってほしいものですが、日本人ではちょっと難しいかも知れませんね。やはりチームの精神的支柱はベテラン選手でしょうか。メジャー経験のある松井稼頭央なんてどうでしょう?

前回大会では打線になかなか火がつかなかった記憶があります。おそらく今回も打力の面では苦労しそうな予感がありますので、勝つとしても僅差の試合が多くなるでしょう。よって、投手陣にはぜひとも辛抱強いピッチングをお願いしたいところ。与田剛コーチの投手指導に期待です。




2012年11月23日金曜日

WBCブラジル代表の本大会出場と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、来年3月のWBC本大会にブラジルが出場を決めたニュース。

WBCといえば日本代表チームの投手コーチは与田剛さんですが、すでに予選が始まっている南米では、ブラジルがパナマを破る大金星をあげ、本大会の出場を決めました。このブラジル代表チームには日本のメジャーリーグファンが注目すべき点が二つあります。まず監督が元シンシナティ・レッズの名ショートストップで殿堂入りも果たしたバリー・ラーキンであること。そして選手には日本球界経験者が多数在籍していることです。

ラーキン監督は今年初めにブラジルで野球教室を行った縁で代表監督に就任。「場所がどこで、相手が誰だろうと関係ない。プランと精神力をもって、小さなことを確実にこなせば勝てる」と国際舞台で実績のない初出場チームを指導し、格上を次々と撃破しました。

ブラジルチームのオーダーを見ると、なんだか見覚えのある選手名が。五番ファーストのダニエル・マツモトは東京ヤクルトスワローズの「松元ユウイチ」。四番で打率.364を記録したDHレイナルド・サトウは元ヤクルトの「佐藤ツギオ」で、現在は社会人野球のヤマハに所属しています。この二人は現在は日本に帰化していますが、もともとブラジル生まれの日系人。そう、WBCは野球後進国への配慮として、両親のいずれかがその国の出身であれば本人は他国の国籍でも出場できるのです。

ヤクルトはブラジルに野球アカデミーを作って野球選手の育成に努めており、才能のあるブラジル人は日本でもプレーしています。パナマ戦で勝ち投手となったラファエル・フェルナンデスもその一人。ヤクルトで昨年育成選手から支配下登録され日本通算10試合で1勝0敗、防御率は8.31でしたが、母国では立派なエースです。ヤクルト関係以外では、六番のファン・ムニス外野手は元千葉ロッテ・マリーンズ。捕手のヤン・ゴメスは現在クリーブランド・インディアンスに所属するブラジル人初のメジャーリーガーですが、メンバー28人中12人が日本球界経験者ということですから、こうなるとなんだか「第二の日本代表」のような気すらしてきます。

対戦したパナマはニューヨーク・メッツの新鋭ショートストップ・ルーベン・テハダ、フィラデルフィア・フィリーズのオールスター捕手カルロス・ルイス、マイアミ・マーリンズの通算358本塁打カルロス・リーというメジャーリーガー中心の布陣(ちなみに始球式はメジャー歴代セーブ王マリアーノ・リベラ)。このパナマを下しての本大会出場ですから、たとえ一軍出場の乏しい育成選手であっても、日本野球は世界的にレベルが高いことが証明されたように見えますね。

本大会出場を決めた後、ゴメス捕手は次のようにコメントしています。「これほどまでに試合に飢えていて、一生懸命プレーする連中を見たことがない。俺たちは全然びびってなんかいないし、とにかくブラジル人のプライドを見せたかった。ブラジルはサッカーで有名だけど、そっちにそれだけ才能のある選手がいて野球にいないわけないだろう」。

イチロー、黒田、青木らの現役メジャーリーガーが不参加を表明した日本代表チームですが、もしブラジルとの対戦が実現したら、どのような戦いになるでしょうか。与田剛コーチの投手指導も注目です。




2012年11月22日木曜日

アリゾナ・フォールリーグと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ワールドシリーズが閉幕した後もまだまだ熱いベースボールが展開されているアリゾナ・フォールリーグについて。

日本では日本シリーズが終わると次の春まで野球はお休み。3月にセンバツ高校野球があるとはいえ、プロ野球はしばらくおあずけ状態になってしまいます。もちろんその間はストーブリーグで翌シーズンの予想を楽しむわけですが、できれば本物のプロ野球も見たいもの。

その点、国土の広いアメリカは秋でも暖かく野球ができる場所があります。ところは砂漠もあるアリゾナの地、ここで近い将来のメジャー昇格を夢見るマイナーリーガーたちによるアリゾナ・フォールリーグ、略称AFLが開催されているのです。

30のメジャー球団組織から派遣された選手は6チームに編成され、リーグ戦が行われます。各チームは「フェニックス・デザートドッグス」「スコッツデール・スコーピオンズ」のような名前を持っているものの、ユニフォームは全員「親チーム」のものを着用、帽子だけがチームのお揃いということで、なんだかオールスター戦を見ているかのよう。とはいえリーグ戦は優勝を賭けて真剣勝負で争われ、MVPなどの個人表彰や「殿堂」もあるのですから本格的です。

このAFLの意義は、オフでもファンにプロベースボールを楽しんでもらおうというのはもちろんですが、メインの目的は若手選手にアピールの場を与えることです。日本と違い、傘下に多数のマイナーチームを持つMLBですから、マイナーリーガーも何百人と抱えています。それだけに、全く知られていないダイヤモンドの原石も数多く隠れているのです。そういった選手を発掘するための見本市が、このAFLと言って良いでしょう。

当然各チームのスカウトはAFLに結集、自軍の選手の成長ぶりをチェックするとともに、他チームの選手の偵察にも余念がありません。なぜなら、シーズン中に自軍が大物選手をトレードで放出する場合、交換相手は有望なマイナーリーガー複数名ということがあるからです。ちなみに、ドミニカやベネズエラなどラテンアメリカ系の選手は自国に戻ってウインターリーグに参加していますので、AFLに来るのは大半がアメリカ人選手です。

メジャーのスター選手の中にもAFL経験者は少なくありません。ヤンキースのキャプテン、デレク・ジーター遊撃手、ナ・リーグ新人王を獲り野茂の女房役で人気があったマイク・ピアザ捕手、アスレチックスやヤンキースで活躍した強打のジェイソン・ジオンビ一塁手、3度ナ・リーグMVPに輝いたアルバート・プホルス一塁手、200勝間近のロイ・ハラデイ投手、そして今年ナ・リーグ新人王を獲得したブライス・ハーパー外野手など。日本人では、今年引退を表明した田口壮外野手も参加したことがあります。面白いところでは、バスケットボールのスーパースター、マイケル・ジョーダンが一時メジャーリーガーを目指したときもAFLに参加しましたが、もしかしたら一番AFLが注目されたのはこのときかも知れません(笑)。

今年のAFLで注目度が高かったのは、マイナー120試合で146盗塁したレッズ傘下のビリー・ハミルトンでしょうか(しかし無茶苦茶な走りっぷりです)。AFLでもスピードスターぶりを発揮していましたが、試合中に外野フライを追ってフェンスに腰をぶつけ途中退場するというアクシデントがありました。来季にはメジャー昇格が期待されるだけに、大事に至らないことを祈ります。

AFLを見ると、アメリカの国土の広さと野球の裾野の広さを実感させられます。与田剛さんもメジャー挑戦した経験があるそうですが、アメリカンドリームをつかもうとする若手たちのプレーにご自分を重ねて見ることもあるのでしょうか。


2012年11月20日火曜日

コミッショナーから待ったがかかった大トレードと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、再建モードに入っているマイアミ・マーリンズと来季の巻き返しに燃えるトロント・ブルージェイズの間で合意に達しているものの、バド・セリグコミッショナーから「待った」がかかっているトレードについて。

日本のプロ野球でも複数トレードはありますが、4人も動けば多いほう。いっぽうメジャーはスケールが違います。3対3くらいは当たり前、さらには三角トレードといって3チームの間で選手が動くトレードすらあります。大人数が動くトレードはメジャーでは「ブロックバスター・トレード」と呼ばれ、注目を集めます。ブロックバスターとは「じゅうたん爆撃」の意味で、戦争で街ごと壊滅させるような大規模な攻撃のこと。今マーリンズとブルージェイズの間で行われようとしているトレードは、ブロックバスターの中でも人数と「大物度」で過去最大級と言えるものです。

マーリンズから放出されるのは、マーク・バーリー投手、ジョシュ・ジョンソン投手、ホセ・レイエス遊撃手、ジョシュ・バック捕手、エミリオ・ボニファシオ外野手の計5人、ブルージェイズからはユネル・エスコバー内野手、アデイニー・エチェバリア内野手、ヘンダーソン・アルバレス投手、ジェフ・マシス捕手、アンソニー・デスクラファニ投手、ジャスティン・ニコリーノ投手、ジェイク・マリスニック外野手の計7人。合計12人という人数もすごいですが、マーリンズから出されるメンバーの豪華さもびっくり。3人の野手は全員レギュラー(開幕戦の一番、二番打者と正捕手)、投手はエースと二番手。まさにファイアーセール、もってけドロボー状態と言って良いでしょう。これでマーリンズの支払給与総額は5分の1に圧縮されたとか。

今季マーリンズは新球場をオープン、チーム名もフロリダからマイアミに変更、監督にオジー・ギーエンを迎え、FAでバーリー、レイエス、ベルらを獲得して優勝を狙う意気込みを見せました。しかし開幕から負けが込み、オールスター前にはすでに優勝はおろかポストシーズンも望み薄な状況となってしまい、そこから主力選手の放出が始まります。

ちなみに、マーリンズの今季の開幕戦の先発メンバーと現在の去就は次の通り。

1.遊 ホゼ・レイエス(ブルージェイズへ放出予定)
2.中 エミリオ・ボニファシオ(ブルージェイズへ放出予定)
3.三 ハンリー・ラミレス(ドジャースへ放出)
4.右 ジャンカルロ・スタントン
5.左 ローガン・モリソン
6.一 ギャビー・サンチェス(パイレーツへ放出)
7.二 オマー・インファンテ(タイガースへ放出)
8.捕  ジョシュ・バック(ブルージェイズへ放出予定)
9.投 ジョシュ・ジョンソン(ブルージェイズへ放出予定)
  投 マーク・バーリー(ブルージェイズへ放出予定)
  投 ランディ・チョート(ドジャースへ放出)
  投 ヒース・ベル(ダイヤモンドバックスへ放出)
  投 アニバル・サンチェス(タイガースへ放出)
  監 オジー・ギーエン(契約解除)

レギュラー級で残っているのはまだ給料の安い主砲スタントンとモリソンのみ。ここまで徹底的なチームの解体は史上初めてではないでしょうか。地元ファンは「詐欺だ」と大ブーイング。それもそのはず、マーリンズは新球場建設にマイアミ市から多額の税金による支援を受けているのです。たった一年でやる気を失ったかのような主力放出には、MLBのコミッショナーも黙ってはいません。とりあえず、マーリンズとブルージェイズのトレードは現段階では凍結状態であり、まだ12人の移籍は正式には発表されていません。

反対に、大物選手を一度に5人獲得するブルージェイズ。さらに昨日は薬物違反で後半出場停止を食らったメルキー・カブレラ外野手との契約を発表し、一躍アメリカンリーグ東地区の優勝候補に名乗りをあげました。解体をはかるチームと、来季の戦力を着々と整備するチーム、与田剛さんはどのような感想をもつでしょうか。



2012年11月18日日曜日

2012年MVPと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、いよいよ大詰めの2012年MLB個人賞、本年度の最優秀選手、MVPです。

まずは結果から。アメリカンリーグは45年ぶり三冠王のデトロイト・タイガース、ミゲル・カブレラ。ナショナルリーグは昨年の大ケガから復活を果たしたサンフランシスコ・ジャイアンツのバスター・ポージー。ナ・リーグのほうはほぼ下馬評通りの結果。アメリカンリーグは「超新人」ロサンゼルス・エンゼルスのマイク・トラウトが新人王に続きMVPも獲るのではないかと関心を集めましたが、結果は文句なしのカブレラ勝利に終わりました。

得票は以下の通りです。

アメリカンリーグ

ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース 362ポイント)
マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス 281ポイント)
エイドリアン・ベルトレイ(テキサス・レンジャース 210ポイント)
ロビンソン・カノ(ニューヨーク・ヤンキース 149ポイント)
ジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャース 127ポイント)
アダム・ジョーンズ(ボルチモア・オリオールズ 124ポイント)

ナショナルリーグ

バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ 422ポイント)
ライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブリュワーズ 285ポイント)
アンドリュー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ 245ポイント)
ヤディアー・モリーナ(セントルイス・カージナルス 241ポイント)
チェイス・ヘッドリー(サンディエゴ・パドレス 127ポイント)

アメリカンリーグでトラウトがMVP候補にあげられた一つの根拠が「セイバーメトリクス」。従来からある打率、打点、ホームラン数といった指標から離れ、できる限り公平かつ客観的に選手の成績を比較するための統計方法で、「マネーボール」で知られるオークランド・アスレチックスがこれに基づいて選手を集め成功したことで一躍脚光を浴びました。この考え方によれば、盗塁でリーグ1位(49個)を記録し、センターの守備でもホームランをもぎ取るスーパーキャッチを何度も披露したトラウトのほうが、脚や守備がイマイチの三冠王カブレラよりチームの勝利に貢献したという点で価値が高くなるのです。このようなことから、今回のカブレラ対トラウトのMVPレースは、「従来指標とセイバーメトリクスの戦い」と評する解説者もいたくらいです。

しかし結果は、圧倒的とまではいきませんがカブレラが大差をつけてMVP受賞。やはり45年ぶり三冠王のインパクトと、所属チームがリーグ優勝したという点がモノを言ったというところでしょうか。しかし今季5月にマイナーから昇格した、つまり実働期間が他の選手より一ヶ月短いトラウトの獲得ポイントがナショナルリーグ2位のブラウンとほぼ同じというのは、これはこれで驚異的なパフォーマンスと言えます。いわゆる5ツールプレイヤーとして、トラウトが今後どこまで飛躍するのか楽しみですね。

ナショナルリーグは首位打者を獲得したポージーがMVPも獲得。こちらも「MVPは優勝チームから」という不文律に即した結果となりました。2位ブラウンと3位マッカッチェンはトラウトと同じように攻守とも優れた万能プレーヤーですが、ブラウンがホームラン王を獲ったのに対し、マッカッチェンは最終的に無冠に終わったことが、順位の差になって表れたように感じます。4位のモリーナ、5位のヘッドリーは今シーズン大躍進。少々でき過ぎの感もありますので、ぜひ来年以降も同じレベルで活躍し、今シーズンがまぐれでないことを証明してほしいものです。

MVPの発表で、今シーズンのMLBの主な個人表彰は終わり。今年はトラウトやブライス・ハーパーといった桁はずれのポテンシャルを持つ新人が登場しましたが、彼らもまた近いうちにMVP候補として名前が上がるに違いありません。与田剛さんはどう評価するでしょう?おっと、来年はWBCがありますから、今はメジャーよりそっちで頭が一杯かも知れませんね。


2012年11月16日金曜日

2012年サイ・ヤング賞と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今シーズンのメジャーNo.1投手を表彰するサイ・ヤング賞について。

さあ、いよいよサイ・ヤング賞の発表です。まずは結果から。アメリカンリーグはタンパベイ・レイズのデイビッド・プライス投手、ナショナルリーグはニューヨーク・メッツのR.A.ディッキー投手。ともに20勝をあげた二人が選ばれました。得票は次のような結果となっています。

アメリカンリーグ

デイビッド・プライス(タンパベイ・レイズ 153ポイント)
ジャスティン・バーランダー(デトロイト・タイガース 149ポイント)
ジェレッド・ウィーバー(ロサンゼルス・エンゼルス 70ポイント)
フェリックス・ヘルナンデス(シアトル・マリナーズ 41ポイント)
フェルナンド・ロドニー(タンパベイ・レイズ 38ポイント)
クリス・セール(シカゴ・ホワイトソックス 17ポイント)

ナショナルリーグ

R.A.ディッキー(ニューヨーク・メッツ 209ポイント)
クレイトン・カーショウ(ロサンゼルス・ドジャース 96ポイント)
ジオ・ゴンザレス(ワシントンナショナルズ 93ポイント)
ジョニー・クエト(シンシナティ・レッズ 75ポイント)
クレイグ・キンブレル(アトランタ・ブレーブス 41ポイント)
マット・ケイン(サンフランシスコ・ジャイアンツ 22ポイント)

ア・リーグは僅差でのプライスの受賞。2位バーランダーとの差が4ポイントということは、プライスの1位票が1票バーランダーに渡っていたら逆転していたということです。今年のバーランダーはMVPをダブル受賞した去年と同じようなパワーピッチングを披露してくれましたが、勝ち星が伸びなかったのが痛いですね。しかし奪三振と投球イニング数はリーグNo.1、その存在感は昨年に劣るものではありません。ウィーバーはノーヒット・ノーランこそ記録しましたが上位2人は及びませんでした。

ナ・リーグはシーズン中盤までディッキーが投手三冠を獲得する勢いで快投を続けていたのが、最終的に防御率はカーショウ、勝利数はゴンザレス、奪三振はディッキーで分け合うことに。そんなわけで混戦が予想されましたが、意外にも結果はディッキーの圧勝。やはりリーグ1位の完投・完封数と投球イニング数が評価されたのでしょう。ただ、奪三振数は1位ディッキーが230個なのに対し、カーショウが229個で2位。たった1個の差です。それなのに、カーショウが最後の登板で8回で降板してしまったのがいまだに解せません。奪三振で上回っていればサイ・ヤングもあったかも知れないのに…。

ディッキーは多方面で報じられているように、「魔球」ナックルボールが投球の大半を占めるナックルボーラーです。ナックルボーラーといえば過去にフィル・ニークロ(通算318勝)、チャーリー・ハフ(同216勝)、昨シーズンで引退したティム・ウェイクフィールド(200勝)といった名投手がいるものの、いずれもサイ・ヤング賞には無縁でした。そんな中、これまで年間自己最多勝利が11勝だったディッキーが、過去ナックルボーラーがだれもなしえなかったサイ・ヤング賞を突然獲ってしまったのですから、それもこの「魔球」の不思議な魅力と言えるかも知れません。

そういえば、ダルビッシュ有投手にも1票入っていたそうです。与田剛さんならだれに投票するでしょう。やはり同じクローザーのロドニーでしょうか?




2012年11月15日木曜日

2012年最優秀監督賞と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今シーズンのMLB最優秀監督賞について。

2012年のMLBマネージャー・オブ・ザ・イヤーは、アメリカンリーグがオークランド・アスレチックスのボブ・メルビン監督、ナショナルリーグがワシントン・ナショナルズのデイビー・ジョンソン監督と発表されました。メルビン監督はアリゾナ・ダイヤモンドバックスで2007年に受賞して以来5年ぶり、ジョンソン監督はボルチモア・オリオールズ時代の1997年以来15年ぶりの受賞。この2人には共通点があります。2人とも二度目の受賞であること、そして過去4人しかいないア、ナ両リーグでの受賞になることです。

アスレチックスは今シーズン、最終戦で首位に立って優勝というこれ以上ないドラマチックな戦いぶりを見せてくれました。夏までは「もしかしたらポストシーズンに出られるかも」くらいの期待だったのが地区優勝まで行ってしまったのですから、監督の手腕が評価されてしかるべきでしょう。アスレチックスといえば「マネーボール」の元祖、低予算のために若手中心のチーム編成が宿命付けられているわけですが、見事にやりくりして優勝を勝ち取りました。とくに終盤に好調だったバートロ・コロンが薬物の問題で出場停止になり、開幕投手のブランドン・マッカーシーが頭に打球を受けて入院しても、代わりの選手が穴を埋め、勝利のペースはまったく落ちませんでした。

ジョンソン監督は昨年途中からナショナルズの指揮を執っていますが、こちらはアスレチックスに比べれば資金力に余裕もあり、ある程度戦力は整った中での采配と言えるでしょう。ナ・リーグは他にワールドシリーズ王者のサンフランシスコ・ジャイアンツのブルース・ボウチー監督や、中地区優勝シンシナティ・レッズのダスティ・ベイカー監督も候補にあがっていましたが、この2人はどちらかといえばベテランをうまく使うタイプ。これに対しジョンソン監督は、手術明けのスティーブン・ストラスバーグ投手を医師の薦めに従い9月に「あがり」にして無理をさせず、また新人のブライス・ハーパー外野手に中軸を打たせながらチームとして今季メジャー最多勝利をあげるという、「育てながら勝つ」という難しい課題をクリアした点が評価されたのではないでしょうか。

もっとも、チームの勝利は監督の手腕だけによるものではありません。チームにフィットする選手を集めるGMを始めとしたフロントがあってこそ。また、チームの戦力がピークになりつつある時期に監督を務められるかどうかは運もあります。メルビン、ジョンソン両監督とも「球団組織のおかげ」とコメントしていますが、これは揺るぎない事実。とくにアスレチックスなど監督よりもGMのほうが存在感があるくらいですからね。与田剛さんならどう評価されるでしょうか。


2012年11月13日火曜日

2012年新人王と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今シーズンのMLBの新人王について。

2012年のMLBルーキー・オブ・ザ・イヤーは、アメリカンリーグがロサンゼルス・エンゼルスの
マイク・トラウト中堅手、ナショナルリーグがワシントン・ナショナルズのブライス・ハーパー右翼手と発表されました。ほぼ下馬評通りの結果となりましたが、ナ・リーグはアリゾナ・ダイヤモンドバックスのウェイド・マイリー投手が善戦、僅差でのハーパー選出となりました。与田剛さんも1991年に新人王に選ばれていますね。

個人表彰は運にさゆうされます。どんぐりの背くらべのような年ならそこそこの成績で選ばれることもありますが、あまりに傑出した選手がいると他の年なら十分ナンバーワンになれる活躍をした選手が涙を飲むこともあります。今年の新人王は明らかに後者の年だったので、ア・ナ両リーグとも選ばれなかったルーキーには気の毒というほかありません。

MLBの各賞の選出は、今年から若干方式が変わりました。まず候補者が各リーグ3名ノミネートされ、その3名の中から全米野球記者協会の記者が投票することになったのです。新人王の両リーグのノミネート選手は以下の通りでした。

アメリカンリーグ

マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)
ダルビッシュ有(テキサス・レンジャース)
ヨエニス・セスペデス(オークランド・アスレチックス)

ナショナルリーグ

ブライス・ハーパー(ワシントン・ナショナルズ)
ウェイド・マイリー(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
トッド・フレイジャー(シンシナティ・レッズ)

ア・リーグは1位票をすべて獲得したトラウトが文句なしの受賞。実際、今シーズンのトラウトの活躍は、新人王は文句なし、むしろMVPを獲得できるかどうかのほうが注目されていると言って良いほど。新人王とMVPを同時受賞した例は過去にイチローがありますが、イチローは日本ですでに実力を発揮してからメジャーに来たわけで、今年21歳のトラウトがそれに匹敵するパフォーマンスを見せているのは驚異というほかありません。すでにゴールドグラブとシルバースラッガーを受賞しており、日本のスポーツ紙にはダルビッシュの落選を残念がる記事がいくつかありましたが、現実的にはまったく問題にならないくらいの存在感をトラウトは示しているのです。

ナ・リーグは話題性においてはハーパーがダントツでしたが、マイリーは開幕から順調に勝ち星を重ねて4月の最優秀新人に選ばれました。前半戦で9勝をあげてハーパー、トラウトとともにオールスターにも出場。ハーパーとマイリーの比較は野手と投手ですから非常に困難です。そうなると所属チームが優勝しその中での貢献度が高かった事実がハーパー有利に働いたように思えます。ハーパーはトラウトよりもまだ若く、先月20歳になったばかり。19歳でのオールスター選出は史上最年少。10代での20本塁打は史上2人目。これからまだまだ最年少記録を塗り替えていくでしょう。

今シーズンは新人が大豊作でした。落選した4人も、ダルビッシュは16勝、221奪三振、セスぺデスは打率.292、23本塁打、82打点、マイリーは16勝で防御率3.33、フレイジャーは内外野全ポジションを守りながら19本塁打。いずれの選手も他の年ならば十分に新人王を狙える成績でした。さらにはノミネートされていない青木宣親(ミルウォーキー・ブリュワーズ)やチェン・ウェイン(ボルチモア・オリオールズ)、ウィリン・ロサリオ(マイアミ・マーリンズ)にもなぜか票が入っていました。さあ、来シーズンはどんな新人が出てくるでしょうか。与田剛さんも楽しみにしていることでしょう。


2012年11月11日日曜日

韓国選手の初のポスティング移籍と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、韓国のプロ野球選手が初めてポスティング制度を使ってメジャー球団に入団する(現在では決定していませんが)話題。

先ごろ韓国プロ野球ハンファ・イーグルス所属の柳賢振(リュ・ヒュンジン)投手がメジャー移籍を目指してポスティングシステムの利用を申請、複数チームが入札したと伝えられましたが、昨日ロサンゼルス・ドジャースが2574万ドル(約20億3300万円)で落札したことが判明しました。日本人でポスティング移籍したダルビッシュ有の5170万ドル(約40億円:当時)、松坂大輔の5111万ドル(約60億円:当時)に比べればスケールは小さく見えますが、それでも韓国人プロ選手の初めてのポスティングにしてはかなりの高評価と見られています。

もちろん、韓国人メジャーリーガーはすでに何人も誕生しています。現在メジャーでレギュラークラスなのはクリーブランド・インディアンスの秋信守くらいですが、韓国人初のメジャーリーガーで昨年オリックス・バファローズにも在籍した朴賛浩、ワールドシリーズでもクローザーとして登板した金炳賢、シカゴ・カブスで期待された崔熙渉といった選手はアメリカの野球ファンにもよく知られています。しかし彼らは韓国のプロ野球を経由せず、アマチュア時代にメジャー球団と契約して入団した選手ばかり。韓国球界で優れた成績をあげた選手はなぜかメジャーでは評価が低く、選手もメジャー挑戦より日本のプロ野球でのプレーを選んでいました。柳賢振がドジャースに入団すれば、韓国球界を経験してメジャーに渡る最初の選手になります。

柳賢振は187センチ、98キロの左腕投手で150km/hを超える速球やスライダーが武器。2006年に18勝を挙げて新人王と最優秀選手に輝くなど今季まで通算98勝(52敗)をあげています。韓国代表としては2008年北京五輪の金メダル獲得に貢献。準優勝だった2009年のWBCでも5試合に投げました(優勝した日本代表の投手コーチは与田剛さんでしたね)。今季は182イニングを投げて210奪三振、防御率2.80という数字を残しています。

ドジャースといえば野茂英雄がメジャーデビューした球団であり、当時のローテーションには韓国人の朴賛浩、ドミニカ人のラモン・マルチネス、メキシコ人のイスマエル・バルデス、アメリカ人のトム・キャンディオッティが並び「インターナショナル・ローテーション」と呼ばれたもの。来季のドジャースはそこまで国際色豊かではありませんが、エースのサイ・ヤング賞投手クレイトン・カーショウを中心とした投手陣はリーグ屈指。先発にはカーショウにクリス・カプアーノと左腕投手が二人いますが、ここにもう一人、左の柳が加わるとどうなるのか、考えただけでわくわくしますね。与田剛さんも同じ気持ちではないでしょうか。



2012年11月10日土曜日

MLBとハリケーン・サンディと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーリーグのハリケーン被災者支援の話題です。

先日、アメリカ東部を襲った大型ハリケーン「サンディ」は記録的な被害をもたらし、ハリケーンが去って10日以上たつ今なお停電やガソリン購入規制が続く地域があると言われます。サンディは最短の4試合で終わったワールドシリーズの閉幕とともに来襲したわけですが、もし7戦まで続いていたら日程に大きな狂いが出ていたでしょう(与田剛さんもワールドシリーズの解説の後、飛行機が飛ばず現地で足止めを食ったそうです)。その意味では、サンフランシスコ・ジャイアンツの4連勝での優勝は、シリーズの盛り上がりには欠けたものの良かったと言えるかも知れません。

東日本大震災のときもそうでしたが、こういった災害時にMLBは積極的に支援活動を行います。MLB機構と選手会は、サンディによる被災者支援のため100万ドル(約8000万円)の寄付を表明。ニューヨーク・ヤンキースやニューヨーク・メッツなど東部のメジャー球団、さらにはかつてニューヨークに本拠地をおいていたワールドシリーズ王者ジャイアンツもそれぞれ寄付や支援を行っています。チャリティに熱心なことで知られるメッツのR.A.ディッキー投手は、個人的に2万ドルを寄付したと報じられました。彼がプレイヤーズチョイスアワードでナ・リーグの優秀投手に選ばれたのは、このような人間的な側面もあるのではないでしょうか。

「この非常事態に我々のファンや地元社会をサポートするのは、メジャーリーグにとって名誉なこと。また、全ての関係者が地域のリーダーやいち早く手を差し伸べてくれたボランティアたちに感謝している。今こそ偉大なるアメリカンスピリットを発揮する時だ」
--- MLBコミッショナー バド・セリグ

「サンディによる隣接3州への被害はすさまじいものだが、我々はここから立ち直って見せる。ヤンキースも自分たちの役目を果たすつもりだ」
--- ニューヨーク・ヤンキース ハル・スタインブレナー共同オーナー

超人的なプレーでファンを興奮させてくれるだけでなく、困っている人々を率先して支援するのもMLBの魅力ですね。


2012年11月9日金曜日

2012年シルバースラッガー賞と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今日発表されたシルバースラッガー賞について。

さあ、MLBの各賞の発表ウイークが始まりました!先日はグラブのローリングス社が守備の達人を表彰するゴールドグラブ賞が発表されましたが、今回はメジャーリーガー御用達バット「ルイビルスラッガー」のメーカーであるヒラリッチ&ブラズビー社が打撃に優れた選手を表彰するシルバースラッガー賞です。両リーグ、各ポジションごとにもっとも打力の優れた選手を表彰するというもの。アメリカンリーグは「指名打者」の枠があるのに対し、ナショナルリーグは「投手」の枠があります。

受賞者は、次の18人です。

アメリカンリーグ

一塁手 プリンス・フィルダー(デトロイト・タイガース)
二塁手 ロビンソン・カノ(ニューヨーク・ヤンキース)
三塁手 ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)
遊撃手 デレク・ジーター(ニューヨーク・ヤンキース)
左翼手 マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)
中堅手 ジョシュ・ハミルトン(テキサス・レンジャース)
右翼手 ジョシュ・ウィリンガム(ミネソタ・ツインズ)
捕手    A.J.ピアジンスキー(シカゴ・ホワイトソックス)
指名打者ビリー・バトラー(カンザスシティ・ロイヤルズ)

ナショナルリーグ

一塁手 アダム・ラローシュ(ワシントン・ナショナルズ)
二塁手 アーロン・ヒル(アリゾナ・ダイヤモンドバックス)
三塁手 チェイス・ヘッドリー(サンディエゴ・パドレス)
遊撃手 イアン・デズモンド(ワシントン・ナショナルズ)
左翼手 アンドリュー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)
中堅手 ジェイ・ブルース(シンシナティ・レッズ)
右翼手 ライアン・ブラウン(ミルウォーキー・ブリュワーズ)
捕手   バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)
投手   スティーブン・ストラスバーグ(ワシントン・ナショナルズ)

もっとも多く受賞者を出したのはナショナルズ。面白いのは投手のストラスバーグですね。今年は肘の手術を受けた影響で投球回数を制限されたことにより、9月上旬で一人さびしくシーズンを終了。ポストシーズンでの投球も実現しなかったわけですが、160km/h以上のボールを投げるこの火の玉投手(与田剛さんも157km/hのボールを投げました)は、バッティングにも非凡なものを持っているのです。今季の打率は.277、しかも二塁打を4本、ホームランも1本(オリオールズのチェン・ウェイン投手から)打っています。ホームランを打った後の談話で「野手じゃないからいつもこうはいかないよ」と答えていましたが、これは謙遜でしょう。打席の雰囲気からも、かなりバッティングが好きなことがうかがえます。

ゴールドグラブとシルバースラッガーを両方受賞した、守備も打撃も両方イケてるプレーヤーはカノ、ラローシュ、ヘッドリー、マッカッチェン。カノとマッカッチェンは日本でもそこそこ知名度がありますが、ラローシュ、ヘッドリーはあまり知られていないのでは?このあたりは人気がイマイチの球団ということもあるでしょうが、メッツのデイビッド・ライト、ナショナルズのライアン・ジマーマンといった強打者のひしめくナ・リーグの三塁で選出されたヘッドリーは、今季突然開花したスイッチヒッターで今後も要注目。毎年新しいスターが出てくる、知れば知るほど楽しくなるMLB、来季も与田剛さんの解説で楽しみましょう。


2012年11月8日木曜日

ロッキーズ新監督に就任したワイスと与田剛


皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今日飛び込んできたコロラド・ロッキーズの新監督のニュース。

ロッキーズは今季64勝98敗。日本の大洋ホエールズ(現横浜DeNAベイスターズ)でプレー経験のあるジム・トレーシー監督のもと開幕を迎えましたが、長年の課題である弱体投手陣を立て直せずナショナルリーグ西地区最下位に沈みました。ロッキーズといえば高地に球場があるためボールがよく飛び、打者には有利といわれていますが、それにしても今季のチーム防御率が5.22というのは悪すぎます。とはいえ意外にリリーフ陣は健闘しており、ひどいのは先発陣。勝ち頭がジェフ・フランシスの6勝で、先発した全員が負け越しと聞くと冗談だろうと疑いたくなるほど。投手コーチのボブ・アポダカも匙を投げたのか、シーズン途中で退団してしまいました。

全日程終了後、トレーシー監督も辞任。球団は新監督候補を4人ピックアップします。まずアリゾナ・ダイヤモンドバックスの三塁ベースコーチ、マット・ウィリアムス。ロッキーズのベンチコーチ(与田剛さんもWBCのコーチです)、トム・ランネルズ。現役ロッキーズ選手のジェイソン・ジオンビ。そしてワイス。いずれもメジャー監督の経験はなく、誰に決まってもわくわくさせてくれそうな面々ではありました。最終的には現フロントとの結びつきの強いワイスが選ばれましたが、おそらくワイス以外の3人も近いうちにどこかのチームで監督をするのではないでしょうか。

さて、ワイスの経歴をご紹介すると、スイッチヒッターの巧打の遊撃手として1987年にオークランド・アスレチックスでメジャーデビュー、翌年のア・リーグ新人王に輝きます。メジャーでの活躍は14年間、ロッキーズには1994年から97年までの4年間在籍し、最後に所属したアトランタ・ブレーブス退団後は、ロッキーズのジョン・オダウドGMの特別補佐、チームの特別コーチとしてフロントで働き、今年一年間は息子の通うコロラド州オーロラの高校野球部のヘッドコーチを務めていたとのこと。ちなみにこの野球部の成績は20勝6敗だったとか。しかしまったくプロの監督、コーチの経験のない人材がいきなりメジャー監督とは、このあたりもさすがメジャー、といったところでしょうか。

2007年にワールドシリーズまで上り詰めたのをピークに、その後のロッキーズの成績は坂道を転げ落ちるかのよう。今年の98敗は創立年をも上回る最悪の負け数でした。課題は山積みですが、しかし希望もあります。ゴールドグラブを受賞したカルロス・ゴンザレス左翼手はじめ、デクスター・ファウラー中堅手、クリス・ネルソン三塁手といった若手が打率3割でシーズンをフィニッシュ。これらの選手は来季まだまだ伸びしろがあります。また正捕手ラモン・ヘルナンデスの故障で出場機会を得たウィリン・ロサリオはチームの新人記録となる28本塁打を記録し、生え抜きのスター、トッド・ヘルトンの衰えを見事にカバーしました。投手はオフの補強でどれだけ駒が揃うかによりますが、打線に関してワイス監督は良い遺産を引き継いだとも言えます。

それにしても、最近のメジャー監督はシカゴ・ホワイトソックスのロビン・ベンチュラ監督、ロサンゼルス・ドジャースのドン・マティングリー監督、ダイヤモンドバックスのカーク・ギブソン監督、そして来季から指揮をとるマイアミ・マーリンズのマイク・レドモンド監督といった、まだ現役時代の活躍の記憶が新しい人材が選ばれる傾向を感じます。そういえば、ベーブ・ルースのシーズンホームラン記録を破った、「あの」マーク・マグワイアがドジャースの打撃コーチに就任するそうです。与田剛さんもどこかのチームの監督をすることはあるでしょうか。



2012年11月6日火曜日

プレイヤーズチョイスアワードと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、昨日発表されたMLBプレイヤーズチョイスアワードについて。

日本の新聞では「ダルビッシュ新人賞ならず」みたいな見出しが付けられて、いわゆる新人王のことかと思った方もいることでしょう(与田剛さんはデビューの年に新人王に輝いています)。そうではなくて、これは「選手自身が選ぶ優秀選手」。これから発表されるリーグ表彰の各賞は野球記者が投票して決めますが、それとは別に自分たちで今年きわだっていた(原文ではoutstanding)と思う選手を表彰しようというものです。

記者による客観的な評価がもとになるリーグ表彰と違い、プレイヤーズチョイスアワードは「選手の目から見た凄い奴」であり、また「同僚からのリスペクト」という点も票に反映しますから、データ重視のリーグ表彰とはまた違った面白みがあります。

では、今年表彰された選手をご紹介すると…。

プレイヤー・オブ・ザ・イヤー:ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)

マービン・ミラー・マン・オブ・ザ・イヤー:チッパー・ジョーンズ(アトランタ・ブレーブス)

優秀選手(AL):ミゲル・カブレラ(デトロイト・タイガース)
優秀選手(NL):アンドルー・マッカッチェン(ピッツバーグ・パイレーツ)

優秀投手(AL):デイビッド・プライス(タンパベイ・レイズ)
優秀投手(NL):R.A. ディッキー(ニューヨーク・メッツ)

優秀新人(AL):マイク・トラウト(ロサンゼルス・エンゼルス)
優秀新人(NL):トッド・フレイジャー(シンシナティ・レッズ)

カムバックプレイヤー(AL):アダム・ダン(シカゴ・ホワイトソックス)
カムバックプレイヤー(NL):バスター・ポージー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)

「今年の顔」は45年ぶり三冠王のミゲル・カブレラで、これはおそらく文句なしでしょう。マービン・ミラー・マン・オブ・ザ・イヤーというのは、そのパフォーマンスで観客やコミュニティを元気づけた選手に贈られるもので、今季限りで引退を決めたチッパー・ジョーンズが受賞。たしかに今年はどの球場も最後のチッパーを見ようと観客がつめかけ、ブレーブスのロードゲームはさながら「チッパーさよならツアー」の様相でした。ブレーブス一筋20年、泥臭く黙々とプレーするその姿は、ファンはもちろん選手にも愛されていました。

ジョーンズといえば、野茂英雄と新人賞の「同期」。野茂がメジャー挑戦し全米にノモマニア現象を起こした年、リーグ表彰の新人王は野茂でしたが、プレイヤーズチョイスの新人賞はこのジョーンズでした。その年の新人たちは野茂という突然の嵐に多くの賞を「奪われた」格好でしたが、選手が選ぶ表彰でジョーンズが選ばれたというのは、前年故障のリハビリによる全休からの復帰もあり、やはり彼のプレーぶりが共感を呼んでいたということでしょう。

今年のナショナルリーグの優秀新人も若干意外でした。インパクト十分のブライス・ハーパーかと思ったら、レッズのユーティリティープレイヤー、トッド・フレイジャーが受賞したのです。フレイジャーはあまり目立ちませんでしたが、打率.273、19本塁打、67打点と新人としては立派な成績を残しています。しかも内外野多数のポジションをこなしてチームに貢献。次のフレイジャーの一言がこの賞の意義を端的に表しているのではないでしょうか。

「この賞で、選手が他の選手に持っているリスペクトがわかる。みんな野球を理解しているからね。このゲームをプレーするのは本当に大変なんだから」

与田剛さんならどんな選手を選ぶでしょうか。

2012年11月4日日曜日

来季からア・リーグに移るアストロズと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、来季からアメリカンリーグに移動するヒューストン・アストロズについての話題。

MLBはシーズンが終わった後もニュースが続きますので、まったく退屈しません。いわゆるストーブリーグが開幕、すでに各チームは来季の戦力を整えようとフリーエージェント選手の獲得交渉を開始しており、MLB事務局もまた12年度の優秀選手の表彰や来季に向けてのさまざまな取り組みを発表しています。

MLB全体に関係する動きとして来季の目玉になるのは、ヒューストン・アストロズのナショナルリーグからアメリカンリーグへの移動でしょう。ご存じのように、メジャーリーグはアメリカン、ナショナルの2リーグがあるのですが、今年まではア・リーグ14チーム、ナ・リーグ16チームとなっていました。また、ア・リーグ西地区が4チームしかないのにナ・リーグ中地区は6チームあり、地区優勝チームがプレーオフに出られるという制度のもとでは不公平です。これを解消するためにアストロズがナ・リーグ中地区からア・リーグ西地区に移動することになったのです。これでア・ナ両リーグの全地区が5チームずつになるというわけです。チームのリーグ移転は1998年にア・リーグからナ・リーグに移転したミルウォーキー・ブリュワーズ以来。しかし両リーグともにチーム数が奇数ですので、毎日どこかで1試合はリーグをまたいだインターリーグマッチ(交流戦)が行われるということになります。

このようなことからファンの中には、MLB事務局にとって今回のアストロズのリーグ移転はあくまで暫定的なものという見方をする人もいます。やはり両リーグとも偶数のほうがすっきりしますし、ということは、MLBはさらにチーム数を増やすつもりではないかと。

ところで、数日前にアストロズにはちょっとした事件がありました。チームは来季からのア・リーグ移転を記念してユニフォームのデザインを一新したのですが、新デザインのグッズが発表の4日前に一部のスポーツショップとMLB.comのオンラインショップに並んでしまい、せっかくの発表セレモニーに水を差してしまったのです。これについてはMLBが不手際を認めてアストロズに正式に謝罪しました。

新ユニフォームのデザインは、一言でいえばレトロ調。1940~50年代のヒューストン・コルツ時代を思わせるもので、ファンのツイッターなどを見ると、おおむね好意的に受け止められているようです。帽子のマークもこれまでの星だけのデザインから、星の上に「H」が乗った70~80年代のデザインに近いもの。アストロズといえば未来的な「虹色ユニフォーム」で話題をさらったかと思うと、このように復刻調のデザインを採用することもあり、なんだかユニフォームは未来と過去を行ったり来たりしているような印象があります。

ところで、アストロズに関して気になるのは、引退しているサイ・ヤング賞5回受賞の大投手ロジャー・クレメンスを再獲得するのではないかという噂。実際、今年クレメンスは独立リーグの実戦登板も経験し、着々と準備を進めているようですが、50歳の再デビューは実現するのでしょうか。アストロズは2年続けてナ・リーグ中地区最下位、しかも2年続けて100敗以上という目を覆いたくなるような惨状。話題作りとしてもクレメンス獲得はなくはないように思えるのですが、どうでしょうか。与田剛さんの予想も聞いてみたいところです。



2012年11月3日土曜日

再建モードに入ったマーリンズと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ストーブリーグ突入と同時に積極的な動きを見せているマイアミ・マーリンズについて。

昨シーズン終了後、フロリダ・マーリンズは新球場オープンに伴い、マイアミ・マーリンズへの球団名変更とユニフォームのデザイン一新を発表。そしてこの記念すべき年に優勝を狙うべく、大型補強を敢行しました。まずFA市場からサンディエゴ・パドレスの守護神ヒース・ベル(与田剛さんも中日の守護神でした)、シカゴ・ホワイトソックスの左腕エースで完全試合の経験もあるマーク・バーリー、2011年にナショナルリーグ首位打者を獲得したニューヨーク・メッツのホセ・レイエス遊撃手を獲得。そして監督は南米系アメリカ人の多い土地柄を考慮して、ホワイトソックスでワールドシリーズ優勝経験のあるベネズエラ人のオジー・ギーエンを迎えました。

しかし結果は惨憺たるもの。結果はフロントの期待を大きく裏切り、シーズン終了後69勝93敗でナショナルリーグ東地区最下位。ベルはセーブ失敗を繰り返し、バーリーは13勝13敗、レイエスも打率.287と期待外れ。そもそもレギュラー野手に3割以上がおらず、投手も13勝のバーリーが最多勝ではとてもプレーオフには出られません。シーズン半ばで匙を投げたフロントは、先発のアニバル・サンチェス投手、オマー・インファンテ二塁手を放出し、引き換えに若手選手を獲得する方針に切り替えていました。唯一明るい材料は、生え抜きのジャンカルロ・スタントンが3割40本に届こうかというバッティングセンスを開花させたことくらいでしょうか。

フロントはギーエン監督の放言癖にも悩まされました。春先にはキューバのカストロ議長を尊敬しているという失言で地元民から総スカンを食い(マイアミはキューバからの亡命者が多く、カストロに対して当然良い感情は持っていません)、謝罪会見を開く羽目に。もっとも、過去にも試合中にツイッターに審判批判を投稿するなど、問題の多い監督ではありましたが・・・。

思い切ったお金の使い方もしますが、結果が出なければすぐに切り捨てるのがマーリンズ流。ジェフリー・ロリア球団社長はワールドシリーズ開催中にギーエン監督の契約解除を発表、19セーブで防御率5点台と期待を裏切ったクローザーのベルをさっそくアリゾナ・ダイヤモンドバックスに放出しました。そして先日、メジャー監督経験のないマイク・レドモンドを新監督に迎える契約を結びます。7年間マーリンズでプレーした経験のあるレドモンドは選手として目立った記録を残せませんでしたが、トロント・ブルージェイズ傘下のマイナー球団で監督を務め、リーグ優勝を一度経験しています。契約は2年間、フロントはそれなりに辛抱するつもりもあるようですが、来年の今頃はどのようになっているでしょうか。与田剛さんも気になるでしょう。