2012年12月29日土曜日

松井秀喜の引退発表と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、現役引退を発表した松井秀喜外野手の話題。

年末に大変なニュースが飛び込んできました。と言っても、心のどこかでは時間の問題かとも思っていたのですが・・・。ニューヨーク・ヤンキースで活躍し、2009年のワールドシリーズMVPにも輝いた松井秀喜が記者会見を開き、引退を表明しました。今シーズンは5月にタンパベイ・レイズに入団するも打率1割台と振るわず、8月に解雇。以後、契約する球団は現れませんでした。今オフは、来シーズンからアメリカンリーグに移動するヒューストン・アストロズが獲得を検討しているという噂も流れましたがオファーはなく、本人もここまでと感じたのかも知れません。

松井のキャリアのハイライトは、やはりヤンキースでの最後の年、ナショナルリーグのチャンピオン、フィラデルフィア・フィリーズと対戦したワールドシリーズで3本塁打、打率6割を記録してシリーズMVPに輝いたときでしょう。松井のプロ選手としてのキャリアは20年、日本とメジャーでちょうど10年ずつ。メジャーの後半は長年のプレーで痛めた膝の故障に悩まされ(東京ドームの人工芝の悪影響とも言われています)、結局それが引退を決意させる原因となってしまいました。

メジャーで通算1253安打、175本塁打、760打点、オールスター出場2回。一流選手と呼ぶにふさわしい成績ですが、これ以上の数字を残した選手はいくらでもいます。しかし、記録や数字では計れない価値が松井にはありました。たとえば常に状況に応じたバッティングやベースランニングが自分の判断でできることを、ヤンキースの前監督ジョー・トーリは絶賛しています。また試合が終わった後、調子が良くても悪くても記者のインタビューに嫌な顔ひとつせずに答える態度は、選手に厳しいニューヨークの記者も「松井は紳士だ」と高く評価。そして何より、決して手を抜くことなく常に100%のプレーを心がけるプロフェッショナリズム。こんな松井をチームメイトやファンは愛し、実際ニューヨークに住んでいる日本人が「松井のおかげで現地での日本人の好感度が上がった」と証言しているくらいです。

松井の引退発表は昨日のMLB公式サイトのトップを飾り、ニューヨークの新聞やテレビでも大きく扱われたことが報じられました。寄せられた言葉にも、いかに松井が尊敬されていたかが現れています。

「これまでに何度も言ってきたけど、もう一度繰り返す価値があるから言う。ヤンキースで大勢のチームメイトとプレーしてき中で、ヒデキは僕のもっとも大好きな選手の一人だ」
---デレク・ジーター(ヤンキース遊撃手)

「松井は野球が世界中のファンを熱狂させることを証明してくれた。彼のキャラクターに人々はみんな引きつけられる。彼はどこを切っても真のプロフェショナルであり、ヤンキースの一員として優勝トロフィーを掲げるにふさわしい人物だ」
---ブライアン・キャッシュマン(ヤンキースGM)

「今のチームがあるのは、彼が様々なことを実現してくれたおかげだ。彼は技術の向上に努力していたし、チームやファンに対する責任を進んで受け止めていた。大事な場面で自分自身を高めることができる選手だった。今後もヤンキースの家族として愛される選手だ」
---ハル・スタインブレナー(ヤンキースオーナー)

MLB公式サイトの記事に寄せられたコメントも暖かいものばかり。日本人からではなく、ほとんど米国のファンからです。本当に現場のメジャーのファンは「わかって」います。

「彼を嫌いになることなんてできない。引退後の生活を楽しんでね」

「フィールドの中だけでなく外でも輝ける人物こそが真のヒーロー。松井はまさに親が子どもに見習ってほしい人物だった」

「ヤンキースのユニフォームを着た選手はたくさんいるけど、『あいつはヤンキーだ』と言える選手は少ない。松井はヤンキーだ」

「ヤンキースは来シーズンの開幕戦の始球式に松井を呼ぶべき!」

「セイバーメトリクスだと?笑わせるな。そんなもので選手の価値が計れるはずがないことをヤンキースのファンは知っている。背番号55はいつも期待に応えてくれた。彼のワールドシリーズMVPは幸運のせいじゃない。ハートとスキルとガッツ!だよ。ヒデキ、本当にありがとう。さびしいよ」

成績も立派ですが、ここまで海外で人間として高く評価された日本人スポーツ選手が過去いたでしょうか。あまり知られていませんが、松井がヤンキースを退団した翌2010年、一年限定でしたが球団は背番号55を欠番扱いにしていました。

与田剛さんの現役時代と松井の巨人での新人時代は重なっていますが、対戦したことはあったのでしょうか。ご本人からも松井の印象を聞いてみたいですね。ともあれ、おつかれさまでした。


2012年12月27日木曜日

フルモデルチェンジしたブルージェイズと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、このオフに積極的な補強を行い、来シーズンは今シーズンとは別のチームのようなオーダーで開幕を迎えるトロント・ブルージェイズの話題。

すべての始まりは、マイアミ・マーリンズの「ファイアーセール」でした。もう何度も書いていますので詳しくは書きませんが、メジャー史に残るであろう「たった一年でレギュラー選手ほぼ全員放出」をやってのけたマーリンズ。しかしこのことは、他チームにとっては有力選手を獲得できるまたとない機会でもあったわけです。そして、その恩恵にもっとも浴したのがトロント・ブルージェイズでした。

ブルージェイズがマーリンズから獲得したのはエース右腕のジョシュ・ジョンソン投手、二番手左腕のマーク・バーリー投手、昨年のナショナルリーグ首位打者ホセ・レイエス遊撃手、同じく昨年リーグ盗塁数2位でどこでも守れるエミリオ・ボニファシオ内野手、ジョン・バック捕手(バックはその後ニューヨーク・メッツにトレード)。ブルージェイズがこのスターの詰め合わせを得るために出した選手は今シーズン9勝14敗のヘンダーソン・アルバレス投手と打率.253のユネル・エスコバー内野手、あとはマイナーの若手選手。マーリンズにとってはただ年俸総額を削るためだけの大放出、ブルージェイズにとってはエビで鯛を釣る以上の大収穫でした。

もともとブルージェイズはホセ・バティスタ、エドウィン・エンカーナシオンという本塁打王を狙える長距離砲を有しています。彼らをそのままに、マーリンズから主軸投手2人とスピードのあるキーストンコンビを獲得してもう十分かと思ったら、今季サンフランシスコ・ジャイアンツで禁止薬物によりシーズン途中で謹慎させられたメルキー・カブレラ外野手を獲得。今シーズンのカブレラはオールスターでMVPに輝き、謹慎までは首位打者を狙える打率をマークするなど絶好調。来シーズンもこの調子が続くなら脅威です。

さすがにこれで打ち止めだろうと多くのファンが一息ついたところに、ブルージェイズはもう一つ大型トレードを仕掛けます。なんと今シーズンのナ・リーグのサイ・ヤング賞投手、20勝をあげて奪三振王も獲得したナックルボーラー・R.A.ディッキーとディッキー専用捕手ジョシュ・トーリをメッツから獲得。さすがに「もらってばかりでは悪い」と思ったのか、代償としてメジャー全体でも高く評価されるスター候補生トラビス・ダーノー捕手とノア・シンダーガード投手を放出したのでした。

ここまでのブルージェイズの獲得選手、残留選手を整理すると、来シーズンのオーダーはこんな感じでしょうか(★は新加入、☆は残留)。

★先発投手  R.A.ディッキー
★先発投手  ジョシュ・ジョンソン 
★先発投手  マーク・バーリー 
☆先発投手  ブランドン・モロー
☆先発投手  リッキー・ロメロ
☆救援投手  ケイシー・ジャンセン

☆捕手      J.P.アレンシビア
☆一塁手   アダム・リンド
★二塁手   エミリオ・ボニファシオ
☆三塁手   ブレット・ローリー
★遊撃手   ホセ・レイエス
★左翼手   メルキー・カブレラ
☆中堅手   コルビー・ラスムス
☆右翼手   ホセ・バティスタ
☆指名打者  エドウィン・エンカーナシオン

先発の3本柱は盤石、クローザー(与田剛さんもクローザーでした)は22セーブのジャンセンが残り、攻撃は長打力とスピードの両方を兼ね備え、守備もまずまずのレベルです(投手のバーリーはゴールドグラブ4回)。

ブルージェイズは今シーズン、アメリカンリーグ東地区4位でした。最下位は免れましたが優勝争いは完全にカヤの外。この凄まじい補強を見る限り、来シーズンは本気で優勝を狙いに来ているのは間違いないでしょう。悪くてもプレーオフ進出はノルマといったところでしょうか。ここまで駒を揃えてもらって、ジョン・ギボンズ監督には優勝のプレッシャーが強くのしかかっているに違いありません。WBCの日本代表チームで各チームのエースを預かる与田剛さんも、同じ気持ちかも知れませんね。




2012年12月24日月曜日

メジャーで一番の「嫌われ者」ピアジンスキーと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、FAでテキサス・レンジャースとの契約が決まったA.J.ピアジンスキー捕手。

今シーズンのレンジャースの捕手はマイク・ナポリと途中移籍してきたゲオバニー・ソトでした。しかし、FAになったナポリはボストン・レッドソックス入りが決定。ならば来シーズンはソトが正捕手になるかというと、少々心配ではあります。また怪我の多いポジションだけに捕手はもう一人絶対に必要です。そんな中、白羽の矢が立ったのはシカゴ・ホワイトソックスからFAになったA.J.ピアジンスキー。36歳とベテランですが、今シーズンは自己最多の27本塁打(捕手としてアメリカンリーグ最多)、77打点をマークしてシルバースラッガー賞を受賞し、「打てる捕手」としての健在ぶりをアピールしました。

来シーズン、ダルビッシュ有投手とバッテリーを組む可能性が高いことから日本でも報道されましたが、ピアジンスキーの名前は、実はあまり良くない評判とともに有名です。それというのも米国の男性雑誌の「選手に最も嫌われている選手」のアンケートで彼はダントツの1位に輝き(?)、さらにスポーツ・イラストレイテッド誌の「最も卑劣な選手」のアンケートでも1位になったほど、悪役ぶりには定評があるのです。

嫌われる原因としては、そのアクの強い性格があげられます。相手打者に対して汚い言葉で挑発したり集中を乱すような、いわゆる「トラッシュトーク」を多用したり、味方に対しても若手投手には「何も知らない田舎者のように扱う」と言われ不評を買っています。好調ながらオールスターに選ばれなかった年、アメリカンリーグの監督がピアジンスキーに「出場させてあげられなくて悪かった」と詫びると「悪いと思っているなら出せよ」と答えたこともあるそうです。極めつけはシカゴ・カブスとの試合中の相手捕手との殴り合いの大ゲンカ。ホワイトソックス時代のオジー・ギーエン監督すら「あいつが敵ならかなり嫌だが、味方なら少し嫌だ」と擁護しているのかどうかよく分からない発言をしているくらいです。逆に言えば「口が立つ」ということで、プレーオフのテレビ中継のゲスト解説者に呼ばれたこともあります。

本業のほうは、通算155本塁打、打率.284、打点730は捕手としては立派なもの。広角に打ち分ける巧みなバットコントロールには定評があり、ミネソタ・ツインズ時代の2002年、2003年には3割をマークしています。リード面でも、ホワイトソックス時代にマーク・バーリーのノーヒットノーラン、フィリップ・ハンバーの完全試合のマスクをかぶっていたのはピアジンスキー。そしてこのピアジンスキー、マスクを取ると俳優クラスの男前。ダルビッシュとのイケメンバッテリーも楽しみですが、ダルビッシュはソトと相性が良いので、ダルビッシュ登板時はDHでの起用もあるかも知れません。オフにはプロレスラーにもなるという、この魅力的な悪役の加入はレンジャースにとって吉と出るかどうか。少なくともファンにとってはレンジャース戦を見る楽しみが一つ増えましたが、与田剛さんはどうでしょうか。


2012年12月22日土曜日

ヤンキースとの2年契約が決まったイチローと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ようやくニューヨーク・ヤンキース残留の正式な発表がなされたイチローの話題。

本当に「ようやく」です。オフに入ってまず黒田博樹投手のヤンキース残留が決定、イチローはどうなるのかと日本のファンはやきもきさせられ、スポーツ紙には何度か「残留決定」の記事が出ました。が、メジャーリーグファンは基本的に日本のマスコミは信用しません。スポーツ紙に出た情報は、とりあえずMLB公式サイトのニュースにないか確認し、なければMLB情報に詳しいESPNやブリーチャーレポート、あるいはアメリカの地元紙(ヤンキースならニューヨークタイムス)などで同じ発表がなされているかどうかチェックします。米国マスコミでは、ここ数週間のイチローの契約に関する記事はあくまで「最終段階にある」というニュアンスで、正式発表されたと伝えた記事はありませんでした。

いやはや、日本のスポーツ紙が取材すらしていないことがよくわかります。スポーツ紙を信じた人からイチローに「契約が決まっておめでとう」のメールもあったようで、イチローもインタビューで「ようやく返事のメールを送れる」と言っていました。この発言にイチローの日本のスポーツマスコミへの皮肉を感じるとしたら性格が良くないでしょうか。

さて、イチローの契約が2年契約となったことに、メジャーのファンは少し驚いたかも知れません。ヤンキースはよほどの選手でなければ30代後半のベテランFA選手とは単年でしか契約しないからです。今年ヤンキースに来たばかりで、成績の数字は下降線をたどっている選手と2年の契約を結んだということは、球団はイチローを相当に高く評価しており、わずか3ヶ月の活躍でしたがファンの心をガッチリつかんだということではないでしょうか。

イチローの残留と天秤にかけられたのが、ヤンキースで同じ右翼を守るニック・スウィッシャー。今のところまだ来季の所属球団は決まっていませんが、イチローの残留で移籍が決定的になったとも言われています。このことについて米国のマスコミは、チームの勝利のためにはスウィッシャーを残すべきとしながら、ファンはややダーティーなプレーをするスウィッシャーよりも攻守で魅せてくれるイチローのほうを見たがっていることも認めています。

イチロー自身は、たとえ多少年俸が下がろうともヤンキースに残ることを望んだと言われており、その思いは次の言葉に表れています。

「勝つことへの強い思いは、勝負の世界に生きている者であれば、どのチームの人間であっても持っているものだが、ヤンキースには負けを許さない空気が存在している。これが共存している組織は実はなかなかないのではないか。そんなチームが必要としてくれているなら断る理由はない」

マリナーズは、イチローの1年目にメジャー史上最多勝(116勝)での優勝を果たしたものの、その後は下位に沈みっぱなし。フロントも選手もやる気を失ったかのような球団で、イチローは10年以上も黙々とプレーしてきました。とはいえ、WBCでは日本代表のリーダーとしてチームを牽引し(投手コーチは与田剛さんでした)、見事2回連続優勝を果たしています。ここ数年、200本安打の記録も途切れ、確かに数字は下降線かも知れません。しかし、常勝球団の緊張感の中で、イチローはもしかしたらもう一度メジャーを驚かせるような活躍を見せてくれるのでは?とワクワクしているファンは少なくないはずです。少なくとも今季ヤンキースに移籍してからのイチローは、メジャーデビューの年のような溌剌さにあふれていました。

ポストシーズンにめっぽう強くミスターオクトーバーと呼ばれたレジー・ジャクソンは、わずか4年のヤンキース在籍で背番号44が永久欠番になりました。イチローの31番もそれに続いてほしい・・・、というのは期待しすぎでしょうか。ともあれ、あと2年イチローのプレーが見られることが決まってファンとしては大満足。与田剛さんも喜んでいるのではないでしょうか。



2012年12月20日木曜日

アスレチックス入りが決まった中島と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、西武ライオンズからFA宣言し、このほどオークランド・アスレチックスに入団が決まった中島裕之選手。

とりあえず、つかみはOKという感じでしょうか。ビリー・ビーンGMが隣に座った記者会見の場で入団の理由を聞かれ「GMがカッコイイから」と答えて場内は大爆笑。「カッコイイ」を「sexy and cool」と訳した通訳のファインプレーもあったでしょうが、サンフランシスコ・クロニクルの名物女性記者スーザン・スラッサーさんも大いに好感を持ったよう。日本人選手が記者会見で大ウケした前例といえば、今季日本ハムで現役を続行した木田優夫投手を思い出します。デトロイト・タイガースの入団記者会見で、デトロイトの町の印象を聞かれ、たしか「ロボコップがいないのが残念」と答えたのでした。「記者会見で大ウケ」の先輩はメジャーでの活躍はイマイチでしたが、中島はどうでしょうか。

中島は昨年の今頃もメジャー入りで揺れ動いていました。ポスティング制度を利用してメジャー球団の入札を待ったところ、落札したのはニューヨーク・ヤンキース。ヤンキースといえば、正遊撃手はメジャーNo.1級のスターであるデレク・ジーター。最初から控え扱いを前提とした入札なので、ためらいもあったでしょう。結局西武残留を決めて今シーズンは西武でプレーし、オフに晴れてFA権を取得。遊撃手が手薄なアリゾナ・ダイヤモンドバックスとも接触が伝えられましたが、最終的にアスレチックスと契約しました。

アスレチックスといえば「買い物上手」で知られています。資金力に乏しいこともあり、たとえば今シーズン新人王に票が入ったヨエニス・セスペデス外野手など、確実に活躍できる選手を獲得する「目利き」はメジャー随一です。過去日本人でアスレチックスに所属したのは藪恵壱投手と松井秀喜外野手。二人ともベテランになってからの入団でしたが、まずまずの活躍をしています。その球団が中島を選んだのだから、それなりの見通しはある、と思いたいところです。今シーズン、もっとも多くアスレチックスのショートを守ったクリフ・ペニントンは打率.215、シーズン途中に獲得したスティーブン・ドリューは先日ボストン・レッドソックスに移籍してしまいましたので、チームも中島に開幕ショートを期待してることは間違いありません。

北京オリンピックと第2回WBCで活躍し(与田剛さんは投手コーチでした)、外国人相手にも通用することを証明している中島。ただ、これまでメジャーに渡った日本人内野手は、松井稼頭央、岩村明憲、西岡剛、川崎宗則と、いずれも満足な結果を残せていません。国内でも失策の多さが不安視された中島だけに、正直、楽観的な予想は難しいところです。一つ明るい材料があるとすれば、その明るい性格と、これまでも西武に来た外人選手の故郷にオフに一人で遊びにいくという海外適応力。とりあえずは、与田剛さん解説の試合中継で雄姿を見られるよう、活躍を期待しましょう。



2012年12月17日月曜日

ブロックバスター連発のMLBと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今オフ次々に決まっているブロックバスター(大型トレード)の話題。

ブロックバスターという言葉にとくに定義はないと思われますが、合計6~7人以上の選手が動くトレードに使われているようです。言葉そのものの意味は、町の区画(ブロック)ごと吹っ飛ばしてしまうような大規模な爆撃だそうで、野球チームならまさに戦力がガラッと変わってしまうくらいの選手の大移動ということになります(与田剛さんも中日、日ハム、阪神と移籍しました)。

ブロックバスターで動く選手の構成は、レギュラー級の「大物」が1~2名と、まだメジャー経験の浅い、もしくはマイナーで育成中の「これからの選手」数名から成ることが多いと言えます。「大物」を出して若手を獲るチームは数年先の優勝を目指して選手を育てていくのに対し、「これからの選手」を出して「大物」を獲るチームは来シーズンに勝負を賭けようというわけです。その意味では両チームの「今」と「将来」の交換と言っても良いかも知れません。

今オフ、まずファンを驚かせたのはマイアミ・マーリンズの大解体でした。昨オフ、大枚をはたいて大物を多数獲得したもののナショナルリーグ東地区最下位に終わったマーリンズ。これに怒ったオーナーが、レギュラー級の選手をほぼ全員放出してしまったのです。主力がもっとも多く移動した先がトロント・ブルージェイズで、エースのジョシュ・ジョンソン、先発二番手とはいえ他チームならエース級のマーク・バーリー、さらにホセ・レイエス遊撃手、ジョン・バック捕手が移籍。マーリンズファンは「やる気があるのか」と激怒し、ブルージェイズファンは「来年は優勝だ!」と狂喜しました。大物を出したマーリンズが交換で獲得した選手は今一つ中途半端な若手ばかりで、あまりのビジョンのなさに、その点でもファンから非難されています。

これにカンザスシティ・ロイヤルズとタンパベイ・レイズが続きます。と言ってもこちらはレイズの先発ジェームズ・シールズ投手プラス中継ぎのウェイド・デイビス投手と、ロイヤルズが手塩にかけて育ててきたプロスペクト4名の交換。マーリンズのようなやけっぱちなトレードではなく、来季に勝負を賭けるロイヤルズと「勝ちながら若手を育てる」に定評のあるレイズのWIN-WINトレードと言って良いでしょう。

そして先週は日本では例がない「三角トレード」が決まりました。三角トレードとはその名の通り、3つのチームの間で選手のやりとりを同時に行うもの。今回はシンシナティ・レッズ、クリーブランド・インディアンス、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの間で合計9選手が移動しました。「大物」としてはインディアンスからレッズへ移籍する秋守信外野手、インディアンスがレッズから獲得するドリュー・スタッブス外野手でしょうか。ダイヤモンドバックスは昨年のドラフト1位トレバー・バウアー投手をさっそく放出して、レッズから「将来のゴールドグラブ候補」と言われるディディ・グレゴリウス内野手を獲得しました。こちらは大人数が動きましたが、戦力の移動としてはちょっと小粒かも知れません。

普通オフにブロックバスターは一つか二つなのですが、今オフはすでに三つ、そしてさらにもう一つが近々決まりそうという噂もあります。なんとニューヨーク・メッツが今季20勝してサイ・ヤング賞に輝いたR.A.ディッキー投手をブルージェイズに放出し、見返りに若手数名を獲得しようとしているらしいのです。ディッキーは今年突然勝ちまくりましたが、これまではメジャーで二けた勝利がやっとだった投手。今年の好調が一年だけの狂い咲きという可能性もありますし、またナックルボーラーとはいえ来年39歳の高齢の投手を獲得するというのは、かなりのギャンブルではあります。米国の報道ではほぼ決定的なようですが、どうなるでしょう。

間違いなく言えるのは、ブルージェイズは来季の優勝をかなり本気で狙っているということ。強豪ヤンキース、今シーズン旋風を巻き起こしたオリオールズ、投手が充実しているレイズ、着実に巻き返しを狙っているレッドソックスに加え、大補強のブルージェイズ。来シーズンもアメリカンリーグ東地区が一番熱い地区になる予感がします。与田剛さんの解説でメジャーリーグを楽しみましょう。



2012年12月15日土曜日

波乱万丈人生のジョシュ・ハミルトンと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、テキサス・レンジャースからFAとなり、先日ロサンゼルス・エンゼルスとの契約合意が報道されたジョシュ・ハミルトン外野手。

ようやく決まりました。今オフのFAの最大の目玉と言われたハミルトンですが、最終的にエンゼルスと契約する模様です。5年総額1億2500万ドル、一年あたりの平均年俸は2500万ドルで、野手ではニューヨーク・ヤンキースのアレックス・ロドリゲスに次ぐ史上二位。昨年はMVP3回のアルバート・プホルスを獲得したエンゼルスが、今度は同じアメリカンリーグ西地区のレンジャースから2010年のMVPを引き抜くことに成功しました。このオフはそれほど動いていないエンゼルスですが、来シーズン、新人王マイク・トラウトにプホルス、ハミルトンが並ぶ上位打線はア・リーグ最強と言って良いかも知れません。

ハミルトンはプロ入り前からメジャー球団のスカウトに史上最高レベルの評価を受けていました。非凡な打撃・守備に加え、投手としても154km/hの速球を投げるなど(与田剛さんは157km/hを投げたことがあります)、野手としての5ツールに投手の能力も加えた8ツールプレイヤーと賞賛され、全米最優秀高校生選手に輝きます。1999年のドラフトでは当然のように全米1位指名を受けてタンパベイ・デビルレイズに入団。マイナーで前評判通りの能力を見せ、USAトゥデイの2000年度マイナーリーグ年間最優秀選手賞も受賞しました。

順風満帆に見えたハミルトンの野球人生は、しかしメジャー昇格を目の前にして狂い始めます。2001年のシーズン前に家族と自動車に乗っていて交通事故にあい、怪我の治療中に不安とストレスからアルコールとコカインの依存症に陥ってしまったのです。これに対しコミッショナーから25日間の出場禁止処分が下され、更生施設への入所を義務付けられます。しかし改善は見られず、2004年には二度目の出場停止処分を受け、メジャーで打席に立つことなく事実上の球界追放となってしまいました。

その後、自殺未遂を起こすなど心身ともにボロボロになり、3年近く野球から離れていたハミルトンでしたが、家族や恩師のサポートを得て依存症の克服と野球への復帰をかけたトレーニングを開始。努力の甲斐あって2006年に週3回以上の尿検査を条件に復帰が認められ、マイナーリーグの試合に出場。オフにルール5ドラフトでシンシナティ・レッズに指名され、翌年、全米1位指名から8年かけてようやくメジャーデビューを果たします。そしてテキサス・レンジャースに移籍し、ここでようやく一流打者としての真価を発揮し始めたのでした。

レンジャース移籍後、初のフルシーズンとなった2008年にいきなり打点王、2010年は首位打者を獲得しMVPにも選出、ヤンキースとのリーグ優勝シリーズでは4本塁打を放つなどの大活躍でシリーズMVPも受賞。レンジャースもリーグ優勝し、チームメイトは飲酒を禁止されているハミルトンのためにクラブハウスで「炭酸飲料かけ」をしたのでした。今シーズンは一試合4本塁打を記録するなど前半戦は絶好調ながら、後半に失速して(カフェインの過剰摂取からくる体調不良が原因と言われています)無冠に終わった上、最終戦で外野フライを落球し、これがアスレチックスの逆転優勝につながるなど、後味の悪い閉幕となってしまいました。

まだ31歳にもかかわらず、まさに波乱万丈のハミルトンの人生は映画化されるという噂があります。しかし、今シーズン始めには禁酒を破っていたことがばれて釈明会見を開くなど、まだ完全な更生には至っていないようです。メジャー屈指の天才的なツールを持ちながら、うまくいきそうになると必ず暗い影がさすのは精神的な弱さからでしょうか。新天地での活躍を与田剛さんの解説で見守りたいと思います。



2012年12月13日木曜日

楽天入りが決まったA.ジョーンズと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、楽天ゴールデンイーグルスに入団が決まったアンドリュー・ジョーンズ外野手の話題。

スポーツサイトを見て驚きました。なんと、あのアンドリュー・ジョーンズが日本のプロ野球にやってくるとは。通算安打数1933本、本塁打434本。90年代後半から2000年代前半にかけての黄金期のアトランタ・ブレーブスで中軸を打ち、ホームラン王、打点王1回、そして10年連続ゴールドグラブ賞に輝いた外野守備の名手。いくつもの輝かしい実績は、これまでに来日したメジャーリーガーの中で、間違いなくトップクラスと言えるでしょう。

ジョーンズの出身地は、東京ヤクルト・スワローズのウラディミール・バレンティン外野手と同じ、カリブ海に浮かぶキュラソー島。オランダ領なので、オランダ代表として2006年の第一回WBCに出場、来年の第三回も出場予定(与田剛さんは日本代表の投手コーチです)だそうです。

ジョーンズは16歳でアトランタ・ブレーブスと契約。19歳でメジャーデビューすると、その年のワールドシリーズにも出場して第一戦でホームランを記録。ミッキー・マントルのワールドシリーズ史上最年少本塁打記録を更新しました(さらに次の打席でもホームランを放ち、ワールドシリーズでの初打席から二打席連続本塁打は史上2人目)。

ジョーンズの黄金時代は、ブレーブスが最強を誇った時期とほぼ一致します。21歳のシーズンに史上最年少で20本塁打・20盗塁を達成、守備では補殺数が毎年二桁、1998年には20補殺という驚異的な数字を残しました。センターの守備範囲の広さと肩の強さは素晴らしく、盗塁も多かったので5ツールプレイヤーの名を欲しいままにします。もっとも好調だったのは2005年、51本塁打、128打点を記録し、二冠王に輝きました。このときジョーンズは28歳、この先どんな凄い選手になるのかとファンを興奮させましたが、この年をピークに成績は下降を始めます。

2007年限りでFAとなってブレーブスを離れると、その後100試合以上出場したのは1シーズンだけ、それからは毎年異なるチームを渡り歩く落ち着かない選手となってしまいます。体調管理が不得意で、オーバーウェイトによって守備の動きが悪くなるとともに盗塁もなくなりました。まだ30代半ばというのに、残っているのは長打力だけ、とりあえずシーズン10~15本はホームランを打てる四番目の外野手というのがここ数年のジョーンズの評価です。

常時試合に出場できないことは、おそらく本人にとっても大きなフラストレーションだったのでしょう。楽天入団が決定したときのコメントにも、出場機会が得られたことがうれしいという言葉がありました。楽天との契約は1年で年俸は3億円。この実績の選手とこの値段で契約できるとすれば超お買い得ですが、さて日本でどのくらいの活躍をしてくれるでしょうか。昨年はメジャー100勝のブラッド・ペニー投手がたった1試合に投げただけで退団。これまでもマイク・グリーンウェル、ケビン・ミッチェルといった「バリバリ現役のメジャーリーガー」が活躍どころか数試合で帰国してしまう例があっただけに、楽観的な見方をする人はいないでしょう。

ジョーンズの獲得は、今月のウインターミーティングに楽天の立花社長が自ら乗り込んでまとめたのだとか。代理人は悪名高いスコット・ボラスですが、まさか「売りつけられた」のではないでしょうね・・・。日本でのジョーンズに期待するとしたら、桁違いのパワー。おそらくDHでしょうが、打率は少々低くとも腰を抜かすようなホームランを10本でも見せてくれれば、とりあえずMLBファンとしては満足です。WBCで対戦したら、与田剛コーチは日本の投手にどのように攻めさせるでしょうか。



2012年12月12日水曜日

レイズとロイヤルズの大型トレードと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、タンパベイ・レイズとカンザスシティ・ロイヤルズの間で成立した大型トレードのニュース。

いわゆるブロックバスターと呼んでもいいかも知れません。レイズ側は今季チーム2番目の15勝をあげた先発のジェームズ・シールズと、中継ぎで54試合に登板し48ホールド、防御率2.43と堅実な活躍をしたウェイド・デイビスの投手2人(+後日発表選手または金銭)、ロイヤルズ側は球団組織のNo.1プロスペクト(有望株)、2年連続フューチャーズゲームに選出されたウィル・マイヤーズ外野手をはじめとする合計4人のマイナー選手がチームを移動します。

レイズは充実している投手陣から2人を出してチームに不足している打撃力を補おうという構想でしょう。とはいえ、獲得するのはいかに有望株といえどまだメジャー経験のない選手ばかりですから、ある程度辛抱しつつ、長期にわたってチームの柱に育てるような使い方をするのではないでしょうか。このような将来を見据えた選手獲得を見ると、どうしても、無計画に選手をかき集めては売り飛ばす「もうひとつのフロリダ州のチーム」、マイアミ・マーリンズと比較してしまいます。しかし、レイズの本拠地はお客が入らない球場として有名なんですよね。

対するロイヤルズはすでに先発投手のジェレミー・ガスリーと契約更新、さらに実績あるアービン・サンタナ投手も獲得しており、フロントの来シーズンにかける意気込みには並々ならぬものを感じます。スモールマーケットゆえに財力が弱く長期間下位に甘んじてきましたが、ホズマー、ムスタカス、ゴードン、バトラーら実力ある若手野手が育ってきたのを見て、久しぶりに勝負をかける気になったのでしょう。こちらはレイズと違って時間に余裕がありません。シールズは3年後にはFAになり、おそらく年俸も高騰しロイヤルズでは引き留められません。したがって2年の間に結果を出す、覚悟の上でのシールズ獲得でしょう。デイビスは中継ぎか、調子次第ではクローザーの可能性もあります(与田剛さんは中日のクローザーでした)。

せっかく育てた有望株を一気に4人放出したロイヤルズのやり方に批判的な人もいるようですが、投手の整備を自前でやろうとすればまだまだ時間がかかり、そのときには現在主力の若手野手がFAになってチームを離れてしまいます。つまり、レイズとロイヤルズは「将来」と「今」を交換したということになるでしょうか。いずれにしても、両チームとも余剰戦力を出して不足分を補うという、教科書のようなトレードが成立したと言えるでしょう。

このトレード、どちらのチームに吉と出るかは来シーズンが終わるまで分かりません。与田剛さんと一緒に注目しましょう。




2012年12月8日土曜日

ルール5ドラフトと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、ウインターミーティングの最終日に行われる「ルール5ドラフト」。

何事も合理的なMLBのシステムですが、ルール5ドラフトもまたそのひとつ。「ドラフト」ですから球団が欲しい選手を指名する会議なのですが(与田剛さんは中日にドラフト1位指名されましたね)、ここで指名される対象は、すでにMLB球団組織に属していながらまだ芽が出ないマイナーリーガー。各チームが他チーム傘下のマイナー選手を指名して獲得できるのです。

とにかくMLBは傘下組織まで含めれば何千人という選手がいるわけで、その中には実力があるもののチーム事情により出番が与えられず「飼い殺し」になる選手もいます。そういった埋もれた有望選手を発掘するためのシステムがこのルール5ドラフトです。

この会議に参加できるのはメジャー登録の40人枠に空きがあるチームのみ。その年のレギュラーシーズンの勝率の低いチームから指名権が与えられ、アメリカン、ナショナルのどちらが先になるかは毎年入れ替わります。指名対象になるのは18歳以上で入団した在籍5年以下の選手と、19歳以上で入団した在籍4年以下の選手。ただし、むやみな引き抜きを規制するために、AAAから指名した場合は相手チームに5万ドルを支払い、指名した選手は翌シーズン全期間メジャーの25人ロースターに登録しなければならないというルールがあります。もし25人ロースターから外す場合は速やかに元のチームへ選手を返還し、選手を返還されたチームは25,000ドルを払い戻さなければなりません(AAから指名する場合にも相応の規制があります)。

各チームの「目利き力」が試されるこのドラフトですが、過去にルール5ドラフトでチャンスを得てブレイクした選手は少なくありません。たとえば今年のナ・リーグのサイ・ヤング賞投手R.A.ディッキー、今オフのFAの目玉ジョシュ・ハミルトン外野手、ブルージェイズの主砲ホゼ・バティスタ外野手、レンジャースに移籍が決まった元ロイヤルズのクローザー・ホアキム・ソリア投手らは、このドラフトで見出されました。今年のルール5ドラフトの「全体1位」はヒューストン・アストロズが指名したボストン・レッドソックスのマイナー右腕ジョシュ・フィールズ投手。来季はアメリカンリーグに移動するアストロズで活躍を見せてくれるかどうか、楽しみですね。

日本のプロ野球にはこのようなシステムはありませんが、実は韓国では昨年から導入されているとのこと。機会に恵まれない若手の救済、リーグ活性化のために、ぜひ日本でも実施してほしいものです。与田剛さんはどのような考えをお持ちでしょうか。



2012年12月7日金曜日

ウインターミーティングと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、MLB各チームの首脳陣が一同に会するウインターミーティングの話題。

メジャーリーグは冬も休みません。ワールドシリーズの閉幕とともに、各チームは来シーズンに向けて戦力を着々と整えています。その様子は、自チームの余剰戦力と他チームの手薄な部分を照らし合わせて手駒を交換する、まるでカードゲームかパズルを組み立てるかのよう。しかし、メジャー球団は全米とカナダに30チームあるわけで、個別に話をもちかけていたのでは効率がよくありません。というわけで、オフのこの時期に開催されるのがウインターミーティングです。12月3日から6日の間、全MLB球団のゼネラルマネージャー、それにFA選手の代理人たちがテネシー州ナッシュビルのホテルに全員集合し、契約やトレードの話を一気にまとめてしまおうという、いわば4日間の「大商談会」です。

初日から各チームとも活発に動いており、すでに次の選手の新たなチームが決まっています。

・ネイト・シャーホルツ外野手がシカゴ・カブスへ
・ジェイソン・ベイ外野手がシアトル・マリナーズへ
・エリック・チャベス三塁手がアリゾナ・ダイヤモンドバックスへ
・ネイト・マクラウス外野手がボルチモア・オリオールズへ
・マイアミ・マーリンズのユネル・エスコバー内野手と、コロラド・ロッキーズの
 ウィルソン・ロペス投手の交換トレードが成立
・シェーン・ビクトリーノ外野手がボストン・レッドソックスへ
・ダン・ヘイレン投手がワシントン・ナショナルズへ
・ジェームズ・ローニー外野手がタンパベイ・レイズへ
・マイク・ナポリ捕手がボストン・レッドソックスへ
・ホアキム・ソリア投手がテキサス・レンジャースへ
・ミネソタ・ツインズのベン・リベア外野手と、フィラデルフィア・フィリーズの
 バンス・ウォーリー投手、トレバー・メイ投手の交換トレードが成立
・上原浩司投手がボストン・レッドソックスへ
・リード・ジョンソン外野手がアトランタ・ブレーブスへ

このオフのFAの目玉はサイ・ヤング賞投手ザック・グレインキー、昨年のMVPジョシュ・ハミルトン、そしてジャスティン・アップトンといったところです。もちろん「お値段」も超一級ですが、これら3人の選手は優勝を目指すチームならノドから手が出るほどほしいところ。この3人をめぐる争奪戦がおそらくウインターミーティング会場では巻き起こっているはずです。

ハミルトンにはレッドソックスが接触しているとの噂。ナショナルズはダン・ヘイレンを獲得したことでグレインキー争奪レースから撤退。こうなると有力候補は潤沢な資金があるドジャースですが、昨年トレードで野手をオールスター級にしたうえに、グレインキーまで取るのかというやっかみもちらほら。

レンジャースに残留すると思われた上原投手はレッドソックス移籍が決まったようです。ヤンキースはケビン・ユーキリスに声をかけているものの、インディアンスのほうが好条件を提示しているという情報も・・・。

ところで、マーリンズの「ファイアーセール」トレードでブルージェイズからやってきたエスコバー内野手が、まだ一度もマーリンズのユニフォームを着ていないのにロッキーズにトレードされてしまいました。来シーズンのマーリンズは一体どうなるのでしょう?

与田剛さんも中日から阪神、日ハムへと移籍しましたが、移籍が選手を大化けさせることもあります。ウインターミーティングが終わると選手の大移動も一段落、来シーズンの活躍を期して、選手たちもゆっくりとクリスマスを迎えることでしょう。



2012年12月4日火曜日

第3回WBC日本代表メンバーの発表と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、来年行われる第3回WBCの日本代表候補選手が発表されたニュース。

さあ、いよいよWBC日本代表候補の発表です!まずは34選手をご紹介。

<投手>

沢村 拓一(巨人) 内海 哲也(巨人) 杉内 俊哉(巨人) 山口 鉄也(巨人) 
吉見 一起(中日) 浅尾 拓也(中日) 山井 大介(中日) 前田 健太(広島) 
今村  猛(広島) 能見 篤史(阪神) 涌井 秀章(西武) 牧田 和久(西武)
摂津  正(ソフトバンク) 大隣 憲司(ソフトバンク) 
森福 允彦(ソフトバンク) 田中 将大(楽天)

<捕手>

阿部慎之助(巨人) 相川 亮二(ヤクルト) 炭谷銀仁朗(西武)

<内野手>

坂本 勇人(巨人) 村田 修一(巨人) 井端 弘和(中日)
鳥谷  敬(阪神) 稲葉 篤紀(日本ハム) 松田 宣浩(ソフトバンク)
本多 雄一(ソフトバンク) 松井稼頭央(楽天)

<外野手>

長野 久義(巨人) 大島 洋平(中日) 糸井 嘉男(日本ハム)
中田  翔(日本ハム) 内川 聖一(ソフトバンク)
聖沢  諒(楽天) 角中 勝也(ロッテ)

事前に明らかになっていたように、メジャー組は全員出場辞退。国内チームの選手のみでの構成となりました。投手陣は予想通り「日本一」巨人軍のスタッフが中心です。エース格は杉内、前田、田中でしょうか。この豪華スタッフを投手コーチの与田剛さんがどのように指導するのか楽しみです。キューバとの強化試合で好投した大隣も入りましたね。

捕手はキャプテンの指名を受けた阿部に、ベテラン相川と若手の炭谷。阿部の故障が心配されるだけに、バックアップ捕手も出番が多くなりそうです。

内野は坂本、鳥谷が初選出。実績十分の井端もいます。ちなみに投手の田中と坂本は小・中学校の同級生。そして今回のサプライズともいえる松井稼頭央。前回のWBC時はヒューストン・アストロズに在籍していたため参加しなかった松井ですが、今回は「世界」を知るベテランとしてベンチのリーダー役を期待されていると思われます。

外野で期待はもちろん中田。低打率が玉にキズですが、思わぬところで一発が出るのも中田の魅力。チームメイトでこちらも初選出の糸井とともに、フレッシュなプレーを見せてほしいものです。アメリカでも、デイビッド・ライトらMLBチームに在籍する選手のWBC参加確約が届いているとのこと。与田剛コーチも情報収集に余念がないのではないでしょうか。来年が待ち遠しいですね。



2012年12月2日日曜日

新たな殿堂入り候補者の発表と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、来年度に新たにメジャーリーグの殿堂入り候補者に加わるメンバーが発表されたニュース。

「殿堂」はメジャーリーグの功労者を表彰するもので、いわばメジャーリーグの歴史の一部に正式に名を残すもの。もちろん選手が試合に出場するだけでも公式記録には残りますが、殿堂入りは超一流選手として別格扱いするものですから、その名誉や注目度は何千人もの「元メジャーリーガー」と別次元であり、何百万ドルの年俸をもらっていてもお金では買えない、すべての選手の憧れと言っても良いでしょう(選手以外に監督、審判員、GMなども殿堂入りの対象ではあります)。

殿堂入りの選考は非常に厳しいものです。そのルールは少々複雑ですので、以下にWikipediaから引用してご紹介します。

「殿堂入り選考の対象となるのは、メジャーリーグで10年以上プレーした選手のうち、引退後5年以上が経過した選手。選考対象となった選手は全米野球担当記者協会(BBWAA)の適性審査委員会で殿堂入り候補者とするか否かが議論される。候補者として認められると、殿堂入りの可否を問う投票にかけられる。BBWAAに10年以上所属している記者に投票資格が与えられ、通常25~40人の候補者のうち最大10人までの名前を書いて投票する。得票率75パーセント以上の候補者が殿堂入りとなる。得票率5パーセント以下の候補者はその回限りで候補から外され、次回以降の審査・選考にかけられることはない。」

なぜかWikipediaには記載されていないのですが、選考対象になるのは期限があります。15年を経て殿堂入りに十分な票を集められなければ、対象者資格は失効。たとえばシンシナティ・レッズの名ショートストップ・デイブ・コンセプシオンや、強打と強肩でならしたピッツバーグ・パイレーツのデイブ・パーカーらは15年間毎年投票対象になりながら、結局消えていきました。いっぽうで連続試合出場の記録を作ったカル・リプケン・ジュニアや、首位打者8回、通算打率.338のトニー・グウィンは1年目であっさり殿堂入りを果たしています。

さて、先日2013年度に初めて選出資格を得る候補者が発表されました。3000本安打を達成したクレイグ・ビジオ二塁手、シーズン73本塁打、通算762本塁打のメジャー記録を持つバリー・ボンズ外野手、通算354勝のロジャー・クレメンス、多数の捕手の打撃記録を塗り替えたマイク・ピアザ捕手、2001年ワールドシリーズの激投が記憶に新しいカート・シリング投手、1998年マーク・マグワイアとのホームラン競争に敗れたもののシーズン60本塁打以上をただ一人3回達成しているサミー・ソーサ外野手、以上6名です。

このメンバーについてはいろいろと物議を醸しています。ボンズ、クレメンス、ソーサの3人は違反とされる薬物の使用が明らかになっていることです。ソーサは違反バットの使用が発覚したこともありました。3人とも1年目で文句なしの選出が予想される実績の持ち主ですが、現在メジャーリーグで大きく問題視されている薬物問題で「クロ」とされている事実がどのように投票に反映されるか、注目されています。ひと足先に選考対象になったマグワイアもまた薬物疑惑の人物で、実績は十分ながらすでに5年「落選」を続けていることからも、投票者の見る目は非常に厳しいようです。与田剛さんならクレメンスに投票するでしょうか?