2012年12月29日土曜日

松井秀喜の引退発表と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、現役引退を発表した松井秀喜外野手の話題。

年末に大変なニュースが飛び込んできました。と言っても、心のどこかでは時間の問題かとも思っていたのですが・・・。ニューヨーク・ヤンキースで活躍し、2009年のワールドシリーズMVPにも輝いた松井秀喜が記者会見を開き、引退を表明しました。今シーズンは5月にタンパベイ・レイズに入団するも打率1割台と振るわず、8月に解雇。以後、契約する球団は現れませんでした。今オフは、来シーズンからアメリカンリーグに移動するヒューストン・アストロズが獲得を検討しているという噂も流れましたがオファーはなく、本人もここまでと感じたのかも知れません。

松井のキャリアのハイライトは、やはりヤンキースでの最後の年、ナショナルリーグのチャンピオン、フィラデルフィア・フィリーズと対戦したワールドシリーズで3本塁打、打率6割を記録してシリーズMVPに輝いたときでしょう。松井のプロ選手としてのキャリアは20年、日本とメジャーでちょうど10年ずつ。メジャーの後半は長年のプレーで痛めた膝の故障に悩まされ(東京ドームの人工芝の悪影響とも言われています)、結局それが引退を決意させる原因となってしまいました。

メジャーで通算1253安打、175本塁打、760打点、オールスター出場2回。一流選手と呼ぶにふさわしい成績ですが、これ以上の数字を残した選手はいくらでもいます。しかし、記録や数字では計れない価値が松井にはありました。たとえば常に状況に応じたバッティングやベースランニングが自分の判断でできることを、ヤンキースの前監督ジョー・トーリは絶賛しています。また試合が終わった後、調子が良くても悪くても記者のインタビューに嫌な顔ひとつせずに答える態度は、選手に厳しいニューヨークの記者も「松井は紳士だ」と高く評価。そして何より、決して手を抜くことなく常に100%のプレーを心がけるプロフェッショナリズム。こんな松井をチームメイトやファンは愛し、実際ニューヨークに住んでいる日本人が「松井のおかげで現地での日本人の好感度が上がった」と証言しているくらいです。

松井の引退発表は昨日のMLB公式サイトのトップを飾り、ニューヨークの新聞やテレビでも大きく扱われたことが報じられました。寄せられた言葉にも、いかに松井が尊敬されていたかが現れています。

「これまでに何度も言ってきたけど、もう一度繰り返す価値があるから言う。ヤンキースで大勢のチームメイトとプレーしてき中で、ヒデキは僕のもっとも大好きな選手の一人だ」
---デレク・ジーター(ヤンキース遊撃手)

「松井は野球が世界中のファンを熱狂させることを証明してくれた。彼のキャラクターに人々はみんな引きつけられる。彼はどこを切っても真のプロフェショナルであり、ヤンキースの一員として優勝トロフィーを掲げるにふさわしい人物だ」
---ブライアン・キャッシュマン(ヤンキースGM)

「今のチームがあるのは、彼が様々なことを実現してくれたおかげだ。彼は技術の向上に努力していたし、チームやファンに対する責任を進んで受け止めていた。大事な場面で自分自身を高めることができる選手だった。今後もヤンキースの家族として愛される選手だ」
---ハル・スタインブレナー(ヤンキースオーナー)

MLB公式サイトの記事に寄せられたコメントも暖かいものばかり。日本人からではなく、ほとんど米国のファンからです。本当に現場のメジャーのファンは「わかって」います。

「彼を嫌いになることなんてできない。引退後の生活を楽しんでね」

「フィールドの中だけでなく外でも輝ける人物こそが真のヒーロー。松井はまさに親が子どもに見習ってほしい人物だった」

「ヤンキースのユニフォームを着た選手はたくさんいるけど、『あいつはヤンキーだ』と言える選手は少ない。松井はヤンキーだ」

「ヤンキースは来シーズンの開幕戦の始球式に松井を呼ぶべき!」

「セイバーメトリクスだと?笑わせるな。そんなもので選手の価値が計れるはずがないことをヤンキースのファンは知っている。背番号55はいつも期待に応えてくれた。彼のワールドシリーズMVPは幸運のせいじゃない。ハートとスキルとガッツ!だよ。ヒデキ、本当にありがとう。さびしいよ」

成績も立派ですが、ここまで海外で人間として高く評価された日本人スポーツ選手が過去いたでしょうか。あまり知られていませんが、松井がヤンキースを退団した翌2010年、一年限定でしたが球団は背番号55を欠番扱いにしていました。

与田剛さんの現役時代と松井の巨人での新人時代は重なっていますが、対戦したことはあったのでしょうか。ご本人からも松井の印象を聞いてみたいですね。ともあれ、おつかれさまでした。


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