2013年7月24日水曜日

ブラウンの今季残り試合出場停止と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、まだまだ続くMLBプレーヤーの禁止薬物使用について。オールスターブレイクから明けた7月22日、ミルウォーキー・ブリュワーズの主砲ライアン・ブラウン外野手に厳しい処分が課されました。

MLBの選手が禁止薬物を使用していることを実名で告発した、いわゆる「ミッチェル・リポート」で大激震が走ったのは2007年。以後も選手が禁止薬物を使用しているという「黒い噂」が絶えることはなく、ロジャー・マリスの本塁打記録を破ったマーク・マグワイア、さらにその記録を破って現段階でのシーズン本塁打記録の保持者バリー・ボンズ、サイ・ヤング賞に7度輝いたロジャー・クレメンスら、本来ならMLBの歴史に名を刻まれるべきスーパースターたちが、実質的に殿堂入りを拒まれています。

今回、シーズン中にもかかわらず「今シーズン残り全試合の出場停止」という重い処分が下ったのは、2011年のナショナルリーグMVPライアン・ブラウン外野手。実はブラウンは昨年末にも疑いが持たれていたものの、潔白であると抗議して認められ、処分を免れていました。今回あっさりと処分を受け入れたのは、言い逃れできないほどの証拠を突きつけられたからではないかと言われていますが、年末の一件があるだけに、ファンは裏切られた思いで一杯ではないでしょうか。「2年前のMVPもはく奪するべきだ」という声もあり、もはやファンが彼を見る目は冷ややかです。

さらに今回の処分は、ブラウンと同じ医療機関を利用していたとされるニューヨーク・ヤンキースのA-Rodことアレックス・ロドリゲス三塁手にも及ぶことが予想されています。しかもA-RodはMLB機構による調査を妨害したとも言われており、最悪の場合は永久追放されるという見方さえあります。昨年のプレーオフで力の衰えを露呈してしまったA-Rod、その後の故障で今シーズンはまだプレーしていませんが、ニューヨークのファンには「もうプレーしないでほしい」とまで言われているとか。処分がどうあれ、A-Rodの将来は明るいものにはなりそうにありません。

激しい競争の中にいると、薬物の力に頼ってでも生き残りたいと思うのは自然のなりゆきでしょう。しかし、多くの人々の憧れであり、子供たちのロールモデル(模範的存在)であることを求められるのがプロスポーツ選手です。これ以上ファンの夢を壊すことにならないことを切に望みます。現役時代は真っ向勝負を挑んでおられた与田剛さんも同じ思いではないでしょうか。


2013年7月20日土曜日

2013年MLBオールスターゲームと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先日ニューヨーク・メッツの本拠地シティフィールドで行われた第84回MLBオールスターゲームの話題。

先発投手はナショナルリーグが地元メッツのマット・ハービー、アメリカンリーグが開幕13連勝のタイガースのマックス・シャーザー、両右腕投手の投げ合いで始まりました。試合はア・リーグの投手陣の前にナ・リーグの打線が沈黙。ア・リーグは4回にブルージェイズのホゼ・バティスタの犠牲フライで1点先制、5回にオリオールズのJ.Jハーディの内野ゴロの間に1点追加、さらに8回にはインディアンスのジェイソン・キプニスのタイムリー2塁打でもう1点。そのまま3対0でア・リーグが逃げ切り、連敗を3で止める勝利となりました。勝ち投手はホワイトソックスのクリス・セール、レンジャースのジョー・ネイサンにセーブがつきました。

MVPは8回裏に登板して3人をアウトにとったヤンキースのマリアノ・リベラ。リベラは今年限りでの引退を発表しており、当然オールスターでの登板もこれが見納めです。8回にリベラの登板がアナウンスされ彼がマウンドに上がると、観衆が、そして両軍の選手がスタンディングオベーション。その拍手は一分近くなりやまず、リベラも目を潤ませながら帽子をとって感謝の意を示しました。

オールスターでも通算4セーブと歴代最多の記録を持つリベラ。ファンとしては最後の登板もセーブで締めくくるところを見たかったですが、今年はア・リーグが先攻。もし他のピッチャーが投げてア・リーグが8回裏に逆転を許した場合、ア・リーグの9回の守備がなくなってしまう可能性があり、タイガースのリーランド監督は「難しい判断」を迫られました。

日本人選手からはレンジャースのダルビッシュ投手とマリナーズの岩隈投手が選ばれていましたが、ダルビッシュは直前に僧帽筋の違和感を訴えて出場辞退。岩隈は直前の試合に先発したためオールスターでは登板のないことが事前にアナウンスされており、少々寂しい初選出となってしまいました。とはいえ、二人ともパレードや試合前の練習には参加、年に一度の「選ばれた者」だけのお祭りの雰囲気を楽しんでいました。

日本のファンのもうひとつの注目は、昨年引退した松井秀喜氏の「解説者デビュー」。松井氏は与田剛さんと一緒にオールスターゲームの実況中継を解説し、試合終了後に「ハッピーエンドですよ」と総括しました。もちろんそれは、ヤンキース時代の元同僚リベラのオールスター最後の登板が無事に完了したことに対して。松井氏は試合前にグラウンドで、リベラに「とにかく残りのシーズン、残りのキャリアを頑張って」と伝えたそうです。

さあ、わずか2日の休日をはさんでMLBは後半戦に突入します。まず気になるのは目前に迫ったトレード期限。優勝を狙うチームがどんな補強をするのか注目です。与田剛さんの解説で楽しみましょう。


 
 

2013年7月12日金曜日

旋風を巻き起こすプイグと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、先月ロサンゼルス・ドジャースに昇格して走攻守に大活躍、いきなり月間MVPを獲得したヤシエル・プイグ外野手の話題。

その突然の「旋風」ぶりは野茂以来?いや、野手ということを考えればラウル・モンデシーのデビュー時の衝撃を思い出しているドジャースファンも多いかも。キューバ出身の驚異のルーキーは、一か月間で打率.436、7本塁打、16打点をマーク。6月のナショナルリーグ月間MVPと同時に月間最優秀新人賞も受賞してしまいました。デビューした月に月間MVPに輝いたのは、1958年に同賞が制定されて以来、史上初の快挙だそうです。

プイグはキューバ出身の22歳。190.5cm、111kgの堂々たる体格。右投げ右打ち。10代でキューバ国内野球リーグで素晴らしい成績をあげますが、亡命を企てたため2011~2012シリーズはプレーを禁止されます。しかしプイグのメジャーリーグを目指す熱は下がることなく、2012年にメキシコに亡命し、同年フリーエージェントでドジャースとの契約に成功。その額は7年4200万ドルとすでにレギュラー選手なみの高評価でした。

2012年はマイナーでプレーしたものの、すでにメジャーリーグレベルの実力を持っていることは証明済み。今季はドジャースのNo.1プロスペクトと期待され、6月3日にメジャー昇格。デビュー戦では2安打を放ち、最終回にはフェンスぎわの難しい外野フライをキャッチ、一塁ランナーが飛び出しているのを確認するとワーニングトラックから一塁に矢のような送球を放ち、アウトに仕留めてダブルプレイとしました。まるでイチローが「レーザービーム」で全米を驚かせたのと同じような鮮烈なデビューでした。

プイグの活躍はドジャースのベンチの雰囲気まで変えてしまいました。今季は優勝候補の筆頭にあげられながら、まさかの地区最下位に沈んでいたドジャース。しかし7月12日時点で勝率を5割に戻し、首位アリゾナ・ダイヤモンドバックスに2ゲーム差と迫るまでに勢いを取り戻しています。

さて、プイグをめぐってはちょっとした議論が巻き起こりました。オールスターゲームのメンバー投票で、プイグはナ・リーグの「最後の一人」の候補に選ばれたのです。これに対して選手の一部から「昇格後一ヶ月の選手が選ばれるのは、長年実績を積んできた選手たちに対して失礼」という声があがり、これに同調する意見と「ファンが見たい選手を選ぶのがオールスター」という意見がぶつかりました。こんな議論が起こるのも野球文化の懐が深いアメリカならではと言えるでしょうか。結局「最後の一人」はアトランタ・ブレーブスのフレディ・フリーマンが選ばれ、プイグのオールスター出場は来年以降にお預けになってしまいました。

オールスターは無理でも、年間のリーグ新人王は十分に可能性があります(与田剛さんもセントラルリーグの新人王を獲得しています)。せっかくですからオールスターブレイクはゆっくり休んで、後半戦にまた信じられないようなプレーを見せてほしいもの。与田剛さんの解説で楽しみたいですね。


2013年7月7日日曜日

岩隈、ダルビッシュが選ばれたオールスターゲームと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、7月16日にニューヨーク・メッツの本拠地シティフィールドで行われる第84回MLBオールスターゲームのメンバーが発表されたニュース。

まずはアメリカンリーグのメンバーからご紹介。

捕手 ジョー・マウアー(ツインズ)
一塁 クリス・デービス(オリオールズ)
二塁 ロビンソン・カノ(ヤンキース)
遊撃 JJ.ハーディー(オリオールズ)
三塁 ミゲル・カブレラ(タイガース)
外野 マイク・トラウト(エンゼルス)
外野 アダム・ジョーンズ(オリオールズ)
外野 ホゼ・バティスタ(ブルージェイズ)
DH  デイビッド・オルティス(レッドソックス)
投手 クレイ・バックホルツ(レッドソックス)負傷欠場
    ブレット・セシル(ブルージェイズ)
    ジェシー・クレイン(ホワイトソックス)負傷欠場
    ダルビッシュ有(レンジャーズ)
    フェリックス・ヘルナンデス(マリナーズ)
    岩隈久志(マリナーズ)
    ジャスティン・マスターソン(インディアンス)
    ジョー・ネーサン(レンジャーズ)
    マリアノ・リベラ(ヤンキース)
    クリス・セール(ホワイトソックス)
    マックス・シャーザー(タイガース)
    ジャスティン・バーランダー(タイガース)
代替 バートロ・コロン(アスレチックス)
代替 グレン・パーキンス(ツインズ)

アメリカンリーグの四番打者候補は、現在ホームランダービーを独走中、打率も2位のクリス・デービス。自身のシーズン最多本塁打33本をすでに前半戦でマーク、これまで一発はあるものの三振も多い「大型扇風機」でしたが、今季は打率も大幅に改善、大化けしたと言えるでしょう。デービス以外にもオリオールズからはハーディ、ジョーンズと、先発メンバーに3人が選ばれています。

四番候補のもう一人は、二年連続三冠王を狙う勢いのミゲル・カブレラ。控えには同僚のプリンス・フィルダーも控えており、破壊力抜群の打線です。投手は13連勝中のマックス・シャーザーが先発候補。ホワイトソックスのエースに成長したセール、初出場のセシルも注目です。

そして最後を締めるクローザーは今季がラストイヤーと公言しているマリアノ・リベラ。今季で引退するとは思えないペースでセーブを積み上げているリベラの、これがオールスターでの見納めになってしまうのでしょうか。

続いてナショナルリーグです。

捕手 ヤディアー・モリーナ(カージナルス)
一塁 ジョーイ・ボット(レッズ)
二塁 ブランドン・フィリップス(レッズ)
遊撃 トロイ・トロウィッツキー(ロッキーズ)
三塁 デイビッド・ライト(メッツ)
外野 カルロス・ベルトラン(カージナルス)
外野 カルロス・ゴンザレス(ロッキーズ)
外野 ブライス・ハーパー(ナショナルズ)
投手 マディソン・バンガーナー(ジャイアンツ)
    アロルディス・チャップマン(レッズ)
    パトリック・コービン(Dバッグス)
    ホゼ・フェルナンデス(マーリンズ)
    ジェイソン・グリーリ(パイレーツ)
    マット・ハービー(メッツ)
    クレイトン・カーショー(ドジャース)
    クレイグ・キンブレル(ブレーブス)
    クリフ・リー(フィリーズ)
    ジェフ・ロック(パイレーツ)
    アダム・ウェインライト(カージナルス)
    トラビス・ウッド(カブス)
    ジョーダン・ジマーマン(ナショナルズ)

シーズン前のWBCで活躍し、レギュラーシーズンも打率1位と好調を維持しているヤディアー・モリーナが、バスター・ポージーを抑えてファン投票捕手1位に選ばれました。アメリカンリーグに比べればスターティングラインナップの長打力はやや劣る印象ですが、こちらは守備が見ものです。モリーナの盗塁阻止、フィリップスとトロウィツキーのキーストンコンビのダブルプレイなど、玄人好みの渋いプレーを見せてくれそうです。

投手では今季ブレイクした若手が揃って選ばれました。地元メッツのハービーは先発候補。開幕から連勝して首位ダイヤモンドバックスを支えるコービン、レギュラー選手を売り払ったマーリンズに突如現れた「怪物」フェルナンデス、さらにパイレーツで最多の8勝をあげているロックらの、イキのいい投球を見たいものです。ナ・リーグのクローザーは好調パイレーツのグリーリか、実績あるキンブレルでしょう。

さて、実はオールスターの出場選手は今回の発表で全部ではありません。「最後の一人」の投票が残っており、アメリカン、ナショナルとも5名ずつがノミネートされています。その中にはア・リーグはレッドソックスの上原浩司が、ナ・リーグはドジャースに彗星のごとく現れた新人ヤシエル・プイグが含まれています。今年のナショナルリーグのもしかしたら一番の注目選手は、このプイグかもしれません。まだ一か月しかメジャー経験がないということで、一部から「オールスターにふさわしくないのでは」という声が上がりましたが、今ファンがもっとも見たい選手には違いありません。選ばれれば、驚異的な長打力と鉄砲肩で、オールスターの歴史に残るプレーを期待したいものです。

日本人選手は岩隈とダルビッシュの2人が選ばれましたが、2人ともこのところ打たれることが多く、はっきり調子を落としているだけに、できれば休ませてあげたい気がするのは与田剛さんも同じではないでしょうか。日本向けの放送は与田剛さんの解説で楽しみましょう。