2012年12月17日月曜日

ブロックバスター連発のMLBと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今オフ次々に決まっているブロックバスター(大型トレード)の話題。

ブロックバスターという言葉にとくに定義はないと思われますが、合計6~7人以上の選手が動くトレードに使われているようです。言葉そのものの意味は、町の区画(ブロック)ごと吹っ飛ばしてしまうような大規模な爆撃だそうで、野球チームならまさに戦力がガラッと変わってしまうくらいの選手の大移動ということになります(与田剛さんも中日、日ハム、阪神と移籍しました)。

ブロックバスターで動く選手の構成は、レギュラー級の「大物」が1~2名と、まだメジャー経験の浅い、もしくはマイナーで育成中の「これからの選手」数名から成ることが多いと言えます。「大物」を出して若手を獲るチームは数年先の優勝を目指して選手を育てていくのに対し、「これからの選手」を出して「大物」を獲るチームは来シーズンに勝負を賭けようというわけです。その意味では両チームの「今」と「将来」の交換と言っても良いかも知れません。

今オフ、まずファンを驚かせたのはマイアミ・マーリンズの大解体でした。昨オフ、大枚をはたいて大物を多数獲得したもののナショナルリーグ東地区最下位に終わったマーリンズ。これに怒ったオーナーが、レギュラー級の選手をほぼ全員放出してしまったのです。主力がもっとも多く移動した先がトロント・ブルージェイズで、エースのジョシュ・ジョンソン、先発二番手とはいえ他チームならエース級のマーク・バーリー、さらにホセ・レイエス遊撃手、ジョン・バック捕手が移籍。マーリンズファンは「やる気があるのか」と激怒し、ブルージェイズファンは「来年は優勝だ!」と狂喜しました。大物を出したマーリンズが交換で獲得した選手は今一つ中途半端な若手ばかりで、あまりのビジョンのなさに、その点でもファンから非難されています。

これにカンザスシティ・ロイヤルズとタンパベイ・レイズが続きます。と言ってもこちらはレイズの先発ジェームズ・シールズ投手プラス中継ぎのウェイド・デイビス投手と、ロイヤルズが手塩にかけて育ててきたプロスペクト4名の交換。マーリンズのようなやけっぱちなトレードではなく、来季に勝負を賭けるロイヤルズと「勝ちながら若手を育てる」に定評のあるレイズのWIN-WINトレードと言って良いでしょう。

そして先週は日本では例がない「三角トレード」が決まりました。三角トレードとはその名の通り、3つのチームの間で選手のやりとりを同時に行うもの。今回はシンシナティ・レッズ、クリーブランド・インディアンス、アリゾナ・ダイヤモンドバックスの間で合計9選手が移動しました。「大物」としてはインディアンスからレッズへ移籍する秋守信外野手、インディアンスがレッズから獲得するドリュー・スタッブス外野手でしょうか。ダイヤモンドバックスは昨年のドラフト1位トレバー・バウアー投手をさっそく放出して、レッズから「将来のゴールドグラブ候補」と言われるディディ・グレゴリウス内野手を獲得しました。こちらは大人数が動きましたが、戦力の移動としてはちょっと小粒かも知れません。

普通オフにブロックバスターは一つか二つなのですが、今オフはすでに三つ、そしてさらにもう一つが近々決まりそうという噂もあります。なんとニューヨーク・メッツが今季20勝してサイ・ヤング賞に輝いたR.A.ディッキー投手をブルージェイズに放出し、見返りに若手数名を獲得しようとしているらしいのです。ディッキーは今年突然勝ちまくりましたが、これまではメジャーで二けた勝利がやっとだった投手。今年の好調が一年だけの狂い咲きという可能性もありますし、またナックルボーラーとはいえ来年39歳の高齢の投手を獲得するというのは、かなりのギャンブルではあります。米国の報道ではほぼ決定的なようですが、どうなるでしょう。

間違いなく言えるのは、ブルージェイズは来季の優勝をかなり本気で狙っているということ。強豪ヤンキース、今シーズン旋風を巻き起こしたオリオールズ、投手が充実しているレイズ、着実に巻き返しを狙っているレッドソックスに加え、大補強のブルージェイズ。来シーズンもアメリカンリーグ東地区が一番熱い地区になる予感がします。与田剛さんの解説でメジャーリーグを楽しみましょう。



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