2012年9月30日日曜日

7年越しの夢をかなえるグリーンバーグと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、マイアミ・マーリンズと一試合だけの契約を結んだアダム・グリーンバーグ選手の話題です。

アダム・グリーンバーグと聞いて「ああ、あの選手か」と言える人はかなりのメジャー通。なんといっても彼は過去にメジャーの試合に出場したのは代打での一回きりなのですから。

2005年7月9日、2日前にマイナーからシカゴ・カブスに昇格した24歳のグリーンバーグは、かつてカブスの英雄であったマーク・グレースがつけていた背番号17のユニフォームに身を包み打席に向かいます。対するフロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)の投手は左腕のバレリオ・デ・ロス・サントス。そして運命の1球目、デ・ロス・サントスがグリーンバーグに投じた147キロの速球(与田剛さんも150キロ以上の球を投げました)は、手元が狂ったのか、左打席のグリーンバーグの後頭部を直撃。ヘルメットは吹っ飛び、グリーンバーグは頭を押さえて倒れ込みました。

しばらくして立ち上がり、自分で歩いて退場したグリーンバーグでしたが、死球による色覚障害やめまいなどの後遺症に苦しみ、カブスからは解雇されてしまいます。しかし野球への情熱は捨てがたく、その後はマイナーリーグや独立リーグでプレーを続け、またユダヤ家系であることからイスラエル代表メンバーとしてWBCの予選にも出場しました。これを知ったカブスのファンが、なんとか彼にもう一度メジャーの一打席を、それもオープン戦などではない公式戦での一打席をプレゼントしようと声をあげ、因縁の相手でもあるマーリンズがそれに応じたのです。今のところ、グリーンバーグのメジャー記録は「出場試合1、打数0」。死球は打数には数えられないので、彼には試合に出場した以上の記録が残っていないのです。

グリーンバーグが出場機会を与えられるのは10月2日のマーリンズ対ニューヨーク・メッツ戦。どんな形で出場するかはわかりませんが、球団は彼に打席を与えると明言しています。こんな粋なはからいができるのもメジャーならではですね。

グリーンバーグは「ヒットを打っても打たなくても、これはすでに成功だ」とコメント。
「人生は、頭にカーブやストレートを投げつけてくることがあり、私はそれでノックダウンされた。そこで倒れたままでいることもできたが、私は再び立ち上がって打席に入ることを選んだ」
この言葉に勇気付けられる人もいることでしょう。彼の「契約金」は脳障害の研究機関に寄付されるそうです。与田剛さんなら彼の一打席をどのように解説するでしょうか。


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