2012年10月3日水曜日

「マネーボール」のアスレチックスと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今季予想に反する大躍進でプレーオフ進出を決めた
オークランド・アスレチックスの話題です。

昨年公開されて話題を呼んだ映画「マネーボール」、あなたは見ましたか?与田剛さんはきっと見たでしょうね。オークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー(GM)ビリー・ビーンがいかにして安い給料の選手を集めて強いチームを作ったかを書いた著書を映画化したもので、ブラッド・ピットがビリー・ビーン役を務めました。

MLBが舞台の映画はたくさんありますが、その多くは「メジャーリーグ」シリーズや「オールド・ルーキー」「ナチュラル」のようにスカッとして感動する「王道」路線。「マネーボール」はどちらかというとチームづくりという裏方にスポットを当てた作品で、いわゆるスポーツ映画を当てにして映画館に入った人は、肩すかしを食った気分になったかも知れません。

この「マネーボール」、思い切り簡単に要約すると、給料が安い若くて有望な選手をかき集め、その選手が成長したら、給料がハネ上がる前に他チームにトレードに出し、見返りにまた安くて有望な選手をもらうというチーム戦略。言うだけならば簡単ですが、それを成功させるにはまだ芽が出ていない(他チームでは評価されていない)ながらも成長の余地のある選手を的確に見つける鑑識眼が必要になります。打者ならばその目安となるのが打率よりも出塁率なのですが、これを詳しく説明しているととてもここでは収まりませんので以下省略。

とにかくこの戦略のおかげでアスレチックスの年俸総額はメジャー30チームの中で最低。しかし今年はプレーオフ出場を決め、最終カードとなるテキサス・レンジャース3連戦をスイープ(3連勝)したら同率で優勝となるところまで来ているのですから、年俸数億円の一流選手を抱えて下位に沈んでいるチームは、さぞ恨めしげにアスレチックスの健闘を見ていることでしょう。

アスレチックスの昨オフの「在庫一掃セール」ぶりは大変なものでした。先発で12勝のトレバー・ケイヒルをアリゾナ・ダイヤモンドバックスに、16勝のジオ・ゴンザレスをワシントン・ナショナルズに、守護神で24セーブのアンドリュー・ベイリーをボストン・レッドソックスに、野手では28本塁打98打点のジョシュ・ウィリンガムをミネソタ・ツインズに惜し気もなく放出。もちろん見返りに若い有望選手をたくさん獲得したわけですが、先発ローテーション2人とクローザーと主軸打者がいきなりいなくなったのですから、ファンは「今年は再建モードだな」と諦め顔で開幕を迎えたに違いありません。(アスレチックスの場合は数年ごとに再建モードになるので慣れっこでしょうが)

ところがフタを開けてみればベイリーの見返りにもらったジョシュ・レディック、キューバから亡命したヨエニス・セスぺデスの両外野手が大活躍。投手もここ数年低調だったかつての20勝投手バートロ・コロンが移籍してきて再生したほか、去年まで無名の若手が急成長し、見事に穴を埋めました。しかもコロンが8月に薬物違反で出場停止になり、今季の開幕投手ブランドン・マッカーシーが打球を頭に当てて入院するなどのアクシデントがあったにもかかわらず、ペースを落とさないまま10月まで来たのですからチーム力も本物です。

そんなアスレチックスの唯一の悩みはお客が少ないこと。たしかにいくら強くても、選手がすぐに出て行ってしまうチームはあまり思い入れができないのかもしれませんね。ともあれ、「格安球団」がプレーオフでどこまで勝ち上がるか、与田剛さんの解説で見てみたいものです。

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