2012年10月20日土曜日

メジャーのラフプレーと与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、メジャーリーグの危険なプレーについて。

熱戦が展開されているメジャーのプレーオフですが、セントルイス・カージナルス対サンフランシスコ・ジャイアンツのリーグ優勝決定シリーズ第2戦で、ひやっとさせられるプレーがありました。1回表カージナルスの攻撃、一死一二塁。ライアン・ボーグルソン投手の投げた変化球をアレン・クレイグが引っかけてイージーなショートゴロ。ダブルプレーを狙ったブランドン・クロフォード遊撃手は素早くマルコ・スクータロ二塁手に送球します。しかし一塁走者マット・ホリデイは、捕球して一塁に転送しようとしたスクータロに体当たりするかのようにスライディング。二人はからみあったまま転倒。スクータロの一塁送球は勢いを殺され、クレイグは一塁セーフとなりました。

「ダブルプレー崩し」のスライディングは一つの技術ですが、今回のホリデイは最初から二塁ベースではなくスクータロの体をめがけて突っ込んでおり、米国のスポーツニュースでも「やりすぎではないか」という解説者もいました。ランナーはまっすぐ相手に向かって走りこむだけですが、ダブルプレーを完成させようとする二塁手はボールを受け、ベースを踏み、一塁に送球する動作を行わねばならず、しかもボールを受けて振り向くまでランナーが見えないのです。体重100kgもある走者がぶつかる衝撃は、小さな車にはねられるのと同程度。受け身を取れない中途半端な姿勢でそれを受けたら、場合によってはとんでもない事態になりかねません。

このプレーを見て、多くのジャイアンツファンは昨年のフロリダ・マーリンズ戦でバスター・ポージー捕手が負傷したプレーを思い出したはずです。ジャイアンツの正捕手であるポージーは、昨年本塁上のクロスプレーで左下腿の腓骨骨折と左足首靱帯断裂という大けがを負わされました。このプレー、三塁ランナーのスコット・カズンズは外野フライが捕球されるとともにタッチアップ、外野からの返球が十分に捕球できていない態勢のポージーにタックルする形となり、ポージーはボールごと吹き飛ばされてしまったのでした(本塁もセーフ)。

ポージーは昨季その後の試合を全休、報道によっては選手生命の危機とまで書かれましたが、じっくりリハビリに務めて今季開幕から復帰、打率.336で見事にナショナルリーグ首位打者に輝きカムバック賞にも選出されました。とりあえず胸をなでおろしたところにスクータロが倒される激しいプレーですから、ファンもいい加減にしろと言いたいところでしょう。(スクータロはその試合を途中で退場しますが大事には至らず、次の試合に出場しました)。

これらのプレーには、意外にも選手たちはあっさりしています。ポージーの件では「同じ状況なら自分も同じスライディングをするだろう」と言ったジャイアンツの選手もいたほどで、こういった衝突も含めてメジャーリーグということなのでしょう。ただし、必要以上のラフプレーは「報復」されるのもまたメジャー。危険なプレーで自軍のチームメイトを傷つけた相手には、投手が次の打席で投球をわざとぶつけるという「不文律」もあります。

とはいえ、ホリデイにこのプレーオフでわざとぶつけるジャイアンツの投手はいません。報復死球は当然ルール違反、短期決戦の中で退場させられたり出場停止になるわけにはいかないからです。そういうわけで、おそらくホリデイは来季の最初のジャイアンツ戦でぶつけられるだろうというのがメジャー通の見方。ジャイアンツ投手陣は「首を洗って待っていろ」という気分かも知れません。与田剛さんならどのように解説するでしょうか。

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