2012年10月7日日曜日

チッパー・ジョーンズ最後の試合と与田剛

皆さんこんにちは。
本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今季限りで引退するアトランタ・ブレーブスのチッパー・ジョーンズ三塁手です。

昨日行われたナショナル・リーグのワイルドカードゲーム。今季から2枠になったワイルドカードのチームの対戦が1試合だけ行われ、勝者が地区優勝チームと対戦するトーナメントに残れるという、まさにサドンデスの戦いです。今季のナ・リーグのワイルドカードはブレーブスとセントルイス・カージナルス。今年のブレーブスはいつにも増して気合が入っていました。なんといっても、20年間ブレーブス一筋に活躍してきたジョーンズの最後のシーズンなのです。負ければジョーンズ最後の試合となるだけに、一試合でも、一打席でも多くジョーンズの雄姿を目の前で見たいとファンもチームメイトも願っていました。

しかし、試合はジョーンズにとってほろ苦いものとなりました。ジョーンズは4回の守備で強いサードゴロを好捕したものの二塁に悪送球。点差を広げられるきっかけを作ってしまい、また思いもよらぬインフィールドフライの「疑惑の判定」もあってブレーブスが後味の悪い敗戦を喫してしまいます。

あっけなく試合は終わってしまいましたが、ジョーンズの最後の打席は感動的でした。3点差で9回裏ツーアウト走者なし。もう試合はほぼ決まっていたとはいえ、すべての観衆がスタンディングオベーションで自分たちの英雄を打席に迎えたのです。ある者はブレーブスの応援グッズである「トマホークチョップ」を振り、ある者はハンカチを振り、ある者は手書きのメッセージボードを掲げました。普段ならスター選手が登場するとカメラのフラッシュがあちこちで光るものですが、このときはそれがありませんでした。ほとんどの観客が拍手を贈っていたからです。ジョーンズはヘルメットを片手で取って少し照れたように伏せ目がちに高く掲げ左打席に入りました。

マウンドにはカージナルスの守護神ジェイソン・モット。ジョーンズはカウント2-2から150km/hの速球を打ち返します。センター前に抜けるかと思われた打球は二塁手が俊敏な動きでキャッチして一塁にジャンピングスロー。タイミング的にはアウトでしたが、一塁手の足が一瞬ベースを離れ、内野安打に。これが、ジョーンズ最後の打席、最後のヒットでした。

ジョーンズの名前が日本でも知られたのは、1995年、メジャーで旋風を巻き起こした野茂秀雄投手の新人王のライバルとして紹介されたときでしょう(与田剛さんも日本で新人王を獲りましたね)。結局新人王は野茂に譲ることになりましたが、ジョーンズは野茂よりもずっと長くメジャーで活躍することになりました。1999年にMVPを獲得、この年「打率3割・40二塁打・40本塁打・100四球・20盗塁」を史上初めて達成、2008年には首位打者に輝きました(シーズン記録はいずれもナ・リーグ)。通算468本塁打はスイッチヒッターとしてミッキー・マントル、エディ・マレーに続く3位。しかし終身打率が3割を超えているのはジョーンズ一人です。引退後の「殿堂入り」、そして背番号10がブレーブスの永久欠番になることはほぼ間違いないでしょう。

ひとつのチームでキャリアを終える選手がほとんどいなくなったMLB。ジョーンズの引退後はニューヨーク・ヤンキースのデレク・ジーターが最後の一人になるのではないかと言われています。実力ある選手ほど移籍する可能性が高いのがプロの世界ですが、ファンはできればいつまでも同じチームにいてほしいと思うもの。ジョーンズの引退にアトランタばかりでなくすべての野球ファンからねぎらいの声が寄せられているのを見るとそんな気がします。与田剛さんはどのような感想をもつでしょうか。

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