2013年9月14日土曜日

「大型扇風機」は卒業のデービスと与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、今シーズンMLBで最初に50号ホームランに到達、ミゲル・カブレラの二年連続三冠王を阻止する有力候補として注目されるボルチモア・オリオールズのクリス・デービス一塁手の話題。

デービスがオリオールズにやってきたのは2011年。当時デービスが所属していたテキサス・レンジャースは優勝争いの真っ最中にあり、投手陣のテコ入れのためにオリオールズの上原浩司投手の獲得を決断。交換要員として選ばれたのがデービスとトミー・ハンター投手の二人だったのです。2対1トレードの一人になったことから分かるように、わずか2年前、デービスの評価はそれほど高くありませんでした。(余談ですが、上原はその年レンジャースで実力を発揮できずポストシーズンのメンバーから外れ、翌オフに移籍して今はレッドソックスで大活躍。デービスは新天地でホームラン王を狙う大ブレイク。ただ損をしただけのレンジャースのファンやフロントはホゾを噛む思いでしょう)。

デービスは2006年のドラフト5位でレンジャースに入団。翌年にはマイナーで打棒を発揮し、2008年にメジャーデビューしています。ルーキーイヤーは打率.285、17本塁打、55打点とまずまずの成績を収め、翌年はさらなる飛躍が期待されましたが、三振かホームランかの典型的な「大型扇風機」で選球眼も悪く、219打数でシーズン100三振というメジャー最速記録を樹立。最終的に21本塁打を放ちましたが、首脳陣の信頼を勝ち得るには至りませんでした。

しかし、移籍してからのデービスは別人のよう。サイズが他球場より一回り小さいオリオール・パーク・アット・カムデンヤーズが本拠地になったことが功を奏したのか、初のフルシーズンとなった2012年、自己最多の33ホームランを放ち、オリオールズの15年ぶりのプレーオフ進出に貢献。そして今年はさらに成長を遂げ、開幕から4試合連続でホームラン。その勢いを緩めることなく9月13日時点でメジャー3人目となる50ホームラン、40二塁打をマーク。初のタイトルも見えてきました。

デービスの打撃の特徴は、最後にはバットを担ぐような形になる、大きな弧を描くアッパースイング。なんだかゆっくりバットを回しているように見えますが、多少当たり損ねでもボールは吹っ飛んで行ってスタンドイン。左右に打ち分けているというより、どこでもいいから飛んでいけという感じです。このパワーはメジャー屈指と言えるでしょう。

ところで、デービスは今シーズン、投手としてマウンドに上がりました。5月7日のレッドソックス戦は延長17回までもつれこみ、両チームとも本職の投手を使い果たしてオリオールズはデービス、レッドソックスはダーネル・マクドナルド外野手が登板。最後は9対6でオリオールズが勝ちましたが、勝利投手は最後の2回を2安打無失点に抑えたデービス、負け投手は3ランを浴びたマクドナルドと、責任投手が両チームとも野手という珍記録が誕生しました。それにしてもデービスは145km/hのファストボールとチェンジアップを武器に三振も奪う力投を見せたとか。元中日のクローザーだった与田剛さんの解説で見てみたかったですね。



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