2013年5月10日金曜日

ピッチャーのヘルメット着用の議論と与田剛

皆さんこんにちは。本日の与田剛ファンの気まぐれブログは、MLBでピッチャー返しの痛烈なライナーを受けて負傷する投手が相次ぎ、投手は投球時にヘルメットをかぶるべきではないかという議論が起こっている話題。

5月7日、トロピカーナフィールドでのタンパベイ・レイズ対トロント・ブルージェイズ戦。ビデオで見ても思わず戦慄が走るシーンがありました。2回裏、ブルージェイズの左腕投手J.A.ハップが投げた外角球をデズモンド・ジェニングスがフルスイング。ライナー性の打球はハップの左顔面を直撃し、ハップはそのままマウンドに倒れ込んでしまいました。担架に乗せられフィールドを去る時に右手を軽く上げて拍手に応えたように見えましたが、両軍のベンチは水を打ったように静まり返り、打ったジェニングスのほうが交通事故を起こしたかのように立ち尽くしていました。

ハップの意識は倒れている間もずっとあったとのこと。ただし病院での診察の結果、頭蓋骨には自然に治るレベルではあるもののひびが入っているそうです。ハップは翌日には退院したということですが、復帰に関してはまだ発表されていません。

まったく同じようなことが昨年もありました。オークランド・アスレチックスのブランドン・マッカーシー投手がやはりピッチャー返しのライナーを頭に受けて倒れ、そのまま担架で退場。マッカーシーはその登板がシーズン最後の登板となりましたが、経過は良好でオフにはアリゾナ・ダイヤモンドバックスと契約。現在はローテーション投手として活躍しています。

両投手とも大事には至らなかったとはいえ、野球のボールが頭を直撃すれば、一つ間違えば大惨事です。考えてみれば、打者はヘルメットを被って打席に立ちますが、投手は普通の帽子のみ。しかし160km/hを超えるといわれるピッチャー返しの打球を、投手は誰よりも近くで(しかも投球後で体勢が整っていない場合も)浴びせられるのです。MLBでは、ベースコーチはヘルメットを着用しています。これは、2007年にマイナーリーグの試合でサードベースコーチが打球を頭に受けて死亡した事故が契機となってルール化されました。シアトル・マリナーズやニューヨーク・メッツで活躍したジョン・オルルド一塁手はクモ膜下出血で頭部の手術経験があり、守備についている間もヘルメットを被っていた例があります。

同じように、投手も投球時にヘルメットを被るべきではないかという議論がしばしば起こりますが、今のところ実現に至ってはいません。ちなみに日本の高校野球では、バッティングピッチャーは頭部を守るためのヘッドギア着用が義務付けられており、投手用のヘルメットも商品化されています。

このような事故は、野球が常に危険と隣り合わせであることを私たちに再認識させます。与田剛さんも投手でしたが、どのような考えをお持ちでしょうか。

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